猿 芥川龍之介

 今日は、芥川龍之介の「猿」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 ぼくはこれを今回はじめて読みました。怪談というわけでもないのに、人間を獲物に見立てた恐ろしい心情が書き記されていったり、賽の河原のごとき刑罰が描かれて、芥川龍之介は、悪い考えを明確に描くんです。後半になって広がった風呂敷が畳まれてゆくにしたがい、個人的な倫理性が立ち現れてくるのがすごかったです。作中にすこし記されているんですけど今作はドストエフスキーの諸作がアイディアの源泉にあるようです。
 

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空気男 海野十三

 今日は、海野十三の「空気男」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 これはスラップスティックコメディーみたいな空想科学小説なんです。ピカソのキュビズム絵画の右上部分みたいな、オチの無い描きっぱなしの展開があって、これを海野十三は、別名義で書いているんです。投げやりな感じがかえって文体を個性的にしているように思いました。
 

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論語物語(12) 下村湖人

 今日は、下村湖人の「論語物語」その12を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 今回は「考」のことが論じられていました。wikipediaの『考』の頁が参考になりました。
 魯の権力者の三桓と呼ばれている男たちの悪行から話しが始まるんですが「専横のかぎりをつくして、国民怨嗟の的になっていた」のがこの三桓であると書いています。孔子はどうやってこのヤバイ権力者とつき合うのか、のちのちはこの権力者たちのもとで働くことを辞めた孔子なんですけど、可能であるなら力をそぐ必要がある。このような相手にこそ、非礼にならないように注意深くなっている……。
 考に基づいた慰霊祭に、孔子が関わってゆくわけですが、今回の家廟の祭に関して、良いはずのこともやりすぎたらダメなんだという孔子の話は、ぼくにはなんだか納得のゆくところがありました。美術や学究はとことんやり尽くさないと、はなしにならないと思うんですけど……。
 

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★『論語物語』をはじめから最後まですべて読む(※大容量で重いです)
『論語』はこちら(※論語の原文に近い日本語訳です)

真昼のお化け 小川未明

 今日は、小川未明の「真昼のお化け」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 これは小学校の低学年向けの童話です。思ったことと伝えたことを、一致させたいのに一致しないということに困った、という子供のころの記憶がよみがえる児童小説でした。小川未明はこういうことを子どもたちに述べているんです。

  自分じぶんにだけしんじられて、ひとには、どうしてもわからない、不思議ふしぎなことがあるものだということを、かれは、しみじみとかんじたのでありました。
 
 大人になったら不思議なことが減るんですけど、哲学書を読んだりするとそこにワンダーがあるわけで……。wikipediaを読むだけでもいろいろ哲学問題が書かれていてそういう本を読みたくなるんですけど、ぼくがいちばん不思議を感じておもしろかった哲学書はリンク先のこの本なんです。クリプキの本ほんとおもしろいんです。
 

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交遊断片 豊島与志雄

 今日は、豊島与志雄の「交遊断片」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 これは翻訳家の豊島与志雄が、文学仲間や親友のことを記した随筆なんです。
 岸田国士の描写や、芥川龍之介とのエピソードが興味深く、そんな意外な体験をしたのかと驚いたんですが、ちょっと思ったことは、映画を見たあとにそれに影響を受けてものの見方が変わることがあると思うんですけど、翻訳という仕事をしたら一文字一文字自分の日本語でこれを創っていってその作品と深く関わることになるわけで、豊島与志雄の眼差しは、氏が翻訳した「レ・ミゼラブル」となんだか似ていておもしろい、と思いました。
 

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晶子詩篇全集拾遺(41)

 今日は、与謝野晶子の「晶子詩篇全集拾遺」その(41)を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 今回の、水道と井戸について論じた詩は、なんだか千頁の小説を九行に凝縮したようで、空想の広がる作品でした……。
 
 

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★はじめから最後まで全文を通読する(大容量で重いです)