論語物語(5) 下村湖人

 今日は、下村湖人の「論語物語」その5を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 今回の物語を一言で表現すると、巧言令色鮮し仁こうげんれいしょくすくなしじんということだと思うんですけど、これが生まれつきの軽薄さから来るのでは無くて、状況を推し進めるときに、必然的にウソが入り混じっていって、最後には虚偽のほうが中心になってしまう、という展開が印象深かったです。子路は孔子一門を有名にするために、実力が足りない人を要職につけてしまい、孔子はこの問題について直接論じるんです。今回は言語論についての考察でもあって、普通に勉強になる話しだと思いました。
 本文とは関係が無いんですが、要職に登用をされると、リスクが激増してしまう……ということを思いました。
 子路は、この小説だけを読むと、調子乗りの知者のように見えるんですけど、ほかの論語の本を読むと、孔子の一番弟子のような存在の、古参の大男で、孔子に出会うまえはたいへん野蛮な男で、孔子一門の中でもっとも武勇に長けた、戦闘的な男だったそうなんです。wikipediaで子路について書いていたので、これが参考になると思いました。
  

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★『論語物語』をはじめから最後まですべて読む(※大容量で重いです)
『論語』はこちら(※論語の原文に近い日本語訳です)

まぼろし 国木田独歩

 今日は、国木田独歩の「まぼろし」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 ぼくは今回はじめて、独歩のこの小説を読んでみました。wikipediaには独歩について、こう書いていました。
 
  友人の田山花袋は、独歩の人生を一文字で表すなら「窮」であると……
 
 おわりの五行が印象的でした。

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泥葬 竹内浩三

 今日は、竹内浩三の「泥葬」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 おおよそ百年くらい前のなんということもない詩を読んでみたんですけど、そこで都市の名前が出てくるんです。新宿や池袋の名前が記されています。新宿……というと都庁や歌舞伎町をイメージするんですけれども、そういうものがない新宿のことを書いている。都庁も歌舞伎町も無い新宿はイメージしにくい。昔は道ばたに腐ったものやゴミが散乱していたのかもしれなくて、泥という言葉ひとつとっても、その内側の意味がちがってしまっているのかもしれない、と思いました。無名の詩には変に現実的な描写があったりして、妙な感じがおもしろかったです。自然界の描写が二行だけ記されているんですけれども、そこだけ泥中の蓮……のような描写になっていました。
 

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酔へ! ボードレール

 今日は、ボードレールの「酔へ!」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 今回は富永太郎が翻訳した、ボードレールの短い詩を読んでみました。これすごい詩なんです。本文こうです。

  すべての廻転するものにでも、すべての歌ふものにでも、すべての話すものにでも、今は何時だときいてみたまへ。(略)『時』に虐げられる奴隷になりたくないなら、絶え間なくお酔ひなさい! 酒でも、詩でも、道徳でも、何でもおすきなもので
 
 ボードレールはフランスの詩人で、のちの世の人からブラック・ヴィーナスとも呼ばれたジャンヌ・デュヴァルと恋愛し十年以上ともに暮らしたのだそうです。詩に酔いたまえ、というボードレールの言葉が印象に残りました。全文は以下から読んでみてください。すてきな詩なんです。
 

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追記   最近、YouTubeで海外のミュージッククリップを聞いてまわることがマイブームとして再燃しているんです。はじめは音を楽しんでいただけなんですけれど、それで、いったい彼らは何を歌っているのか、ちょっと知ってみたいと思って、和訳も調べつつ、これまで黒人がブルースやラップで何を歌ってきたのかというのを、歌の和訳サイトで、いろいろ見てまわりました。人気のあるものから順番に聴いていったのですが、音楽を聴いただけでも、Black Lives Matterという言葉がつい数カ月前に生みだされたわけでは無く、長い時間をかけて求められてきたことが理解できるように思いました。
 
Public Enemy – Fight The Power 和訳はコチラ
Childish Gambino – This Is America 和訳はコチラ
Travis Scott – SICKO MODE ft. Drake 和訳はコチラ
Lupe Fiasco & Guy Sebastian – Battle Scars 和訳はコチラ
Alicia Keys – Underdog 和訳はコチラ
 
ブルースの和訳サイトもいくつかリンクを紹介します。
【和訳】B. B. King – Everyday I have the blues
【和訳】B.B. King – How Blue Can You Get
【和訳】Howlin’ Wolf – Killing Floor
【和訳】Robert Johnson – Cross Road Blues
【和訳】John Bundrick – Muddy Water
【和訳】T-Bone Walker – Stormy Monday
 
 Black Lives Matterにかんする詳しい内容は、こちらのwikipediaや、wiredの最新記事や、映画と黒人文化に関する記事、が理解しやすかったです。
 今回はボードレールの詩を読みながら、ブラックミュージックをいろいろ聴いてみました。パブリック・エナミーの”Don’t Believe The Hype!”というのが印象に残りました。

拷問の話 岡本綺堂

 今日は、岡本綺堂の「拷問の話」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 さいきん、同じ作家の本ばかり載せてしまってバランスの悪い更新になっているんですけど、ちょっと牢獄の本を立て続けにいま読んでいて、ついでにこの江戸時代の刑罰の物語を読んでみました。
 序盤の描写では、これがもし冤罪だったらどうするんだろうか、ということばかり思いました。罪人と記されているんですけれども、正確には容疑者なわけで、現代ではこんなことがあってはいけない事態なんです。今回の物語ではまあ吉五郎は罪人であることが明白で証拠が揃っていて、現代でも有罪で禁固刑になる事件なんですけれども……。この犯人の吉五郎はとある犯罪をしたことをけっして認めないんです。彼には彼の考え方がある。
 石川五右衛門の再来、という記述から先の描写が興味深かったです。理非の箍が外れた不気味な小説なんですけれども……菅原道真を祀るように、死者を描いていった作家たちが居たのだ、ということを連想しました。 
 むつかしい言葉を調べてみました。
 申口
 

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