ゲーテ詩集(44)

 今日は「ゲーテ詩集」その44を配信します。縦書き表示で読めますよ。
 ゲーテが当時の恋人に書いた手紙のような、美しい夜の詩でした。
 これは十回読んでも新鮮に読めるのでは……と思いました。
 

0000 - ゲーテ詩集(44)

装画をクリックするか、ここから全文を読む。 (使い方はこちら) (無料オーディオブックの解説)
(総ページ数/約5頁 ロード時間/約3秒)
 
全文を読むにはこちらをクリック
 

奈々子 伊藤左千夫

 今日は、伊藤左千夫の「奈々子」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 伊藤左千夫は正岡子規と深い関わりのあった歌人です。ぼくは伊藤左千夫の小説を読むのは初めてなんですが、序盤は朗らかな親子の物語で、遊びの描写が生き生きとしてすてきで引き込まれました。起承転結がみごとな家族小説で……読了後にもういちど読み直してみると、金魚の不幸が大人たちの不注意さを暗示していて、物語上で重大な伏線になっているのだと思いました。後半は厳しい状況が描かれ、いったい何が起きたのか事態の検証が行われるんです。長らく栄えるのは、こういう人々なのではと思いました。明治の終わりに書かれた小説です。
 

0000 - 奈々子 伊藤左千夫

装画をクリックするか、ここから全文を読む。 (使い方はこちら) (無料オーディオブックの解説)
(総ページ数/約10頁 ロード時間/約3秒)
 

私の日常道徳 菊池寛

 今日は、菊池寛の「私の日常道徳」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 文芸と商売を両立させた……いちばんはじめの近代作家は菊池寛だと思うんですが、そのお金持ちの菊池寛が、人づきあいやお金のことを訓示っぽく書いていて、なんだかすてきな随筆でした。
quomark03 - 私の日常道徳 菊池寛
 貴君のことを誰が、こうこう言ったといって告げ口する場合、私は大抵聞き流す。人は、陰では誰の悪口でも言うし、悪口を言いながら、心では尊敬している場合もあり、その人の言った悪口だけがこちらへ伝えられてそれと同時に言った賞め言葉の伝えられない場合だって、非常に多いのだから。quomark end - 私の日常道徳 菊池寛
 
 なにかの不備については自分で発見したほうが上手くゆくわけで……不備を指摘をする必要はないという話しや、お金に関することや、他にも勉強になることがいろいろ書いてありました。
 

0000 - 私の日常道徳 菊池寛

装画をクリックするか、ここから全文を読む。 (使い方はこちら) (無料オーディオブックの解説)
(総ページ数/約10頁 ロード時間/約3秒)
 

細雪(23) 谷崎潤一郎

 今日は、谷崎潤一郎の「細雪」その23を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 ずいぶん準備をしてきて、関西から東京に引っ越した、姉の鶴子と三女雪子なんですけど、この日のことを記した手紙がとどいたんです。
 しっかり計画したはずなのに、どうも家を借りることが急に取り消しになってしまって、種田さんの家にお邪魔になりつつ、大急ぎで別の家を借りることになった。このあたりの展開はどうにも1945年前後の大戦のあらゆる不都合が押しよせている時代性が、物語に反映されているのだと思いながら読みました。「知らぬ土地へ来て、名古屋側の親戚の、而も目上の人の家に厄介になっているのでは、どんなにか窮屈なことであろう。そこへ持って来て病人が出来、医者を呼んだりするのでは尚更である。」三女の雪子の部屋がまだ無い状態だったりします。雪子からの手紙はまだとどかない。雪子を愉しませようと、幸子や悦子は、歌と絵を添えた手紙を書き送るのでした。次回に続きます。

0000 - 細雪(23) 谷崎潤一郎

装画をクリックするか、ここから全文を読む。 (使い方はこちら) (無料オーディオブックの解説)
(総ページ数/約20頁 ロード時間/約3秒)
 
「細雪」の上中下巻、全巻を読む。(原稿用紙換算1683枚)
谷崎潤一郎『卍』を全文読む。 『陰翳礼賛』を読む。

■登場人物
蒔岡4姉妹 鶴子(長女)・幸子(娘は悦ちゃん)・雪子(きやんちゃん)・妙子(こいさん)

散歩生活 中原中也

 今日は、中原中也の「散歩生活」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 中原中也が複雑な状況のことをほんの数行でみごとに書いていて、読んでいて見入られました。言語化しにくいことを明確に書けるのが詩人の特徴なのでは、と思います。それから日々の散歩で見た風景や、中高年ならではの行き詰まりのことを記し、文芸や学問や「なんのことだか分らない」当時の議論のことを正直に記していました。
 

0000 - 散歩生活 中原中也

装画をクリックするか、ここから全文を読む。 (使い方はこちら) (無料オーディオブックの解説)
(総ページ数/約10頁 ロード時間/約3秒)
 

胡氏 田中貢太郎

 今日は、田中貢太郎の「胡氏」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 これは不思議な伝奇で、田中貢太郎といえば怪談の名手だと思うんですが、今回のは怖さのない怪異を記していて、ちょっと日本昔話のような神秘的なもののけ譚でした。
 狐の嫁入り、というと天気雨や燐火のことをいうんですけど、十六世紀あたりの中国は河北省の直隷に、胡という男がいて、富豪のすむ家を訪れた。これが賢いので家庭教師になってもらった。ところが胡は人ではなく狐で、これを目撃した主人は、胡の求めた、娘との求婚を断ってしまう。そこから争いが起きる、狐の大群が押しよせて、奇妙なことが起きる。妖しい美しい物語でした……。
 

0000 - 胡氏 田中貢太郎

装画をクリックするか、ここから全文を読む。 (使い方はこちら) (無料オーディオブックの解説)
(総ページ数/約10頁 ロード時間/約3秒)
 
追記  日本のお見合い結婚の歴史はじつは武将の政略結婚からはじまった、というようなことをこのまえ知ったんですが、この「胡氏」ではまさに、争いを治めるにあたって、平和な結婚を実現する、という展開がありました。みごとな奇譚でした。