好奇心 織田作之助

 今日は、織田作之助の「好奇心」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 これは新聞の片隅に載せられた掌編小説です。最初の数行はたどたどしい文体で、これは主人公の女性の急いた心情を書きあらわしているのかと思うんですが、事件の被害にあった知り合いを腐すことからはじまって、事件への好奇心を語る構成でした。
 最後はちょっと納得のゆく展開になるんですが、終わりの1行で、なんだか腑に落ちました。
  

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職業の苦痛 若杉鳥子

 今日は、若杉鳥子の「職業の苦痛」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 幼いころの夢は弁護士で、現実には「女新聞記者」になった若杉鳥子の随筆なんです。まだ時間の進行が遅い百年前の時代だったので新聞記者になっても「毎日じっとしているので、苦痛で」しかたがなかった。美術家の「岡田八千代女史」を取材してこいという仕事をもらって、この取材に行ったはなしを書いています。いろんな人に取材をした時のことを書き綴っています。十五円の月給と生活費のことを正確に記しているのでした。一人で自立して生きられるようになった、始まりの時代の随筆でした。
   

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魚紋 吉川英治

 今日は、吉川英治の「魚紋」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 これははじめ江戸時代の地味な碁会所での探りあいやら恋模様が描かれるんですが。4人……5人の悪党が、700両という大金を巡って痛烈な争いを繰り広げる無頼の物語で、中盤からはハリウッド映画の惨劇みたような諍いが畳みかけられる、江戸の悪漢小説なのでした。
 登場人物は……
 碁会所の女主人である、お可久。
 山岡屋。
 浮世絵師の喜多川春作。
 侍のかまきり。
 外科医の玄庵。
 遊び人のあざみ
 この薊というのが意外と危険な男でとんでもないことが起きるのでした。
 ある雨の日、碁会所にいる山岡屋のところに、牢番がやってきて、妙なことを言うんです。
「川底に七百両の金を沈めてある」どうも盗賊の和尚鉄が大金を盗み出して、逃げるときに川底に財宝を沈めたまま、捕まってしまった。これを川から引き揚げて、和尚鉄の代わりに知人の山岡屋に使ってしまってほしい、という依頼なのでした。和尚鉄はもう島流しを喰らうか死罪となるかで、二度と娑婆には戻れそうになく、盗んだ金の使い道はない。牢番も小判が欲しくてこの危険な依頼をしに来たのでした。
 山岡屋はさっそく永代橋の西河岸の川底を見にいくのですが、そこには役人もいるし人通りも多いし、川の流れもきつい。小判が水に洗われているのは見えるが、そうやすやすとこれを引き揚げることが出来ない。本作の題名である「魚紋」というのは魚が泳いだあとにできる波紋のことです。
 山岡屋と牢番の密談は、悪友たちに盗み聞きされてしまっていて、誰もがこの川底に沈んだままの、盗まれた七百両を狙っている……
 

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追記  ここからはネタバレなので、近日中に読み終える予定の方はご注意願います。 川底に沈んだままの、盗まれた七百両をいろんな悪党が狙っているところで……次々に事件が起きるのでした。さいごは愚かで無欲な喜多川春作だけが生きのこって、七百両はこれは、役人もこれを探しだせぬまま、東京湾に流されて海の藻屑と消えたのかと、思われます。
 

最小人間の怪 海野十三

 今日は、海野十三の「最小人間の怪」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 カエルよりも小さい、微小な人間たちを目撃したN博士のかたる怪談……なのでした。
 

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追記   大きさを自在に変えられる大女が現れて「私」は洞穴から逃げ出した。この謎の女を「私」はずいぶんのちになってから上野科学博物館で目撃します。それが幻覚だったのか、あるいは博物館から微小になって姿をくらませたのかは謎のまま、物語は幕を閉じるのでした。

誰が・何時・何処で・何をした 竹久夢二

 今日は、竹久夢二の「誰が・何時・何処で・何をした」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 これは完全に児童向けの小説で、大人が読んでも意味が無いんですが、2人の少年が街なかに迷うさまと、ランダムに言葉を入れ替える遊びのことが印象に残る作品でした。竹久夢二の絵画に表出する、幼年時代への憧憬が、文字になったようなところが、あるように思いました。
  

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道具と餌と天候 佐藤垢石

 今日は、佐藤垢石の「道具と餌と天候」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
  80年くらい昔の釣りについていろいろ書いてある随筆です。百年前のほうがおそらく、多様な活餌があったところにちがいがあるのでは、と思いました。後半では雨模様や風の名前のことを滔滔と記していました。
 

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