ドグラ・マグラ 夢野久作

 今日は、ドグラ・マグラの「夢野久作」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 これは日本三大奇書とも呼ばれる、有名な暗黒小説で、序盤の1頁目から立ち現れる、見知らぬ親族という謎と、大病院に監禁された男がどうなるのか、というサスペンスが描かれ、終盤では……………この本は大長編なんですけれども、最初の十頁だけを読んでもそうとう魅了される作品だと思います。夢野久作の作品はいろいろあって、「きのこ会議」という掌編がなんだか、おすすめなんです。
 

0000 - ドグラ・マグラ 夢野久作

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(総ページ数/約10頁 ロード時間/約3秒)
 
追記 ぼくはこれを十年くらい前にいちおう最後までざっと通読したんですけど……今回は全文を再読できませんでした。当時これを読み終えて思ったのは……ここからネタバレなんですけど、終盤で血の呪いというか父権の呪いが病者全体を縛りつけるという、ナチスと大病院の関係を連想させるような展開があって、はじまりの荘厳美麗な暗さの魅惑からガラッと変化して、不気味な父子の物語の鬱々とした世界感に衝撃を受ける、究極の奇書……という印象でした。
 

人生における離合について 倉田百三

 今日は、倉田百三の「人生における離合について」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 江戸時代に主流であった近松の創作物があって、そのあとに近代小説があるわけで、こんかい倉田百三が、日本の愛別離苦について書いています。
 万葉集の大津皇子における離別の記載が興味深く、チェーホフの文学性や、レテ川のことについても記していました。
 江戸の情緒的な戯作から、近代の理知的な創作への変化のぶぶんを論考しています。
 この随筆は、人生訓のような箇所もあって離別や苦があっても『自然に率直に朗らかに「求めよさらば与えられん」という態度で立ち向かうことをすすめたい』と言うようなことも記しています。階級社会や家系社会が減退して、自由恋愛が一般的になっていった時代の、随筆に思いました。
 もう当時とは、かんぜんに変わってしまっているので、ちょっと逆立ちして世界をのぞき込んでいるような、奇妙な部分もあるんですけど、現代人の言わないことを書いているのでなんだか引き込まれるエッセーでした。戦争が終わる三年前の不穏な時代に、婦人公論に発表された随筆なのでした。終盤の「祈り」と鎮魂の文が印象に残りました。
  

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