ハイネ詩集 生田春月訳

.

ハイネ詩集
生田春月 訳
 
 
 
エンマ

エンマよ、わたしに本当をお言ひ
わたしが恋のために馬鹿になつたか?
それとも恋といふものが
わたしの馬鹿の結果にすぎないか?

おゝ、真実まことあるエンマよ
わたしの迷つた恋のほかに
わたしの恋の迷ひのほかに
このジレンマがその上わたしを苦める

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
底本:「ハイネ詩集」(新潮文庫、第三十五編)
新潮社出版、昭和八年五月十八日印刷、昭和八年五月廿八日發行、
昭和十年三月二十日廿四版。
生田春月(1892-1930年) 
「ハイネ詩集」(Heinrich Heine, 1797-1856年)
入力:osawa
編集:明かりの本
2017年7月7日作成
物語倶楽部作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、物語倶楽部で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。