与謝野晶子詩歌集1
夜の
歌にきけな誰れ野の花に紅き
草と人
風吹けば
人の身は
知らず、
鼠
わが
きしきしと音するは
またその妻と踊りては
廻るひびき
競馬の
わが物書く上に
屋根裏の砂ぼこり
はらはらと散るも
彼等いかで知らん。
されど我は思ふ、
我は
彼等に食ひ物あれ、
よき温かき巣あれ、
天井に