誰ぞ
悔いますなおさへし袖に折れし
或人の扇に
扇を取れば舞をこそ、
筆をにぎれば歌をこそ、
胸ときめきて思ふなれ。
若き心はとこしへに
春を
桃の花
花屋の
きさくな枝の桃が咲く。
人の心も
なみなみ
眺めて
いざ干したまへ、
君の知りたる酒なれば、
我の追ひ
鳥羽の山より海見れば、
清き涙が
人この故を問はであれ、
口に
知らんとならば共に見よ、
すべて
志摩の国こそ