神の背(せな)にひろきながめをねがはずや今かたかたの袖こむらさき とや心朝の小琴(をごと)の四つの緒のひとつを永久(とは)に神きりすてし × おち葉した木が空を打ち、 枝も小枝も腕を張る。 ほんにどの木も冬に勝ち、 しかと大地(たいち)に立つてゐる。 女ごころはいぢけがち。 × 玉葱(たまねぎ)の香(か)を嗅(か)がせても 青い蛙(かへる)はむかんかく。 裂けた心を目にしても 廿(にじふ)世紀は横を向く、 太陽までがすまし行(ゆ)く。 × 話は春の雪の沙汰(さた)、 しろい孔雀(くじやく)のそだてかた、 巴里(パリイ)の夢をもたらした 荻野(をぎの)綾子(あやこ)の宵の唄(うた)、 我子(わがこ)がつくる薔薇(ばら)の畑(はた)。