堂の鐘のひくきゆふべを前髪の桃のつぼみに
紫にもみうらにほふみだれ
我友
ともに歌へば、歌へば、
よろこび身にぞ余る。
賢きも智を忘れ、
富みたるも財を忘れ、
貧しき我等も労を忘れて、
愛と美と涙の中に
歌は長きも
天に似よ、海に似よ。
短きは更に好し、
ちらとの
とにかくに楽し、
ともに歌へば、歌へば。
恋
わが恋を人問ひ
わが恋を
汗と血を塗りて固めぬ。
塔は
更に積み、更に重ねて、
世の風と雨に当らん。
寒きこと二月の
頼めるは、