その涙のごふえにしは持たざりきさびしの水に見し
水十里ゆふべの船をあだにやりて柳による子ぬかうつくしき(をとめ)
×
鏡の
鏡の
あとに静かに映れかし、
×
そこにありしは
十和田の水が
青ざめゆくも水ゆゑか。
×
つと休らへば素直なり、
花を
うす紫の
物みな
×
海の
船を吹くこと矢の
わたしの船の上がるとき、
かなたの船は横を向き、
つひに別れて西ひがし。
×
笛にして吹く麦の茎、
よくなる時は裂ける時。
恋の
思ひつめたる心ゆゑ
よく鳴る時は裂ける時。