おとに立ちて小川をのぞく乳母が
恋か血か牡丹に尽きし春のおもひとのゐの宵のひとり歌なき
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人わが
やがて消え去る、森の奥。
馬に乗る身は
野を白くする砂の中。
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鳥の心を君知るや、
巣は雨ふりて冷ゆるとも
育てし
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いよいよ青し、庭の芝。
ああ散ることも光なり、
かくの
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やはらかに降る、花に降る、
わが髪に降る、草に降る、
うす桃色の糸の雨。
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赤い
少し離れて
帆柱ばかり見える船。
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曲り目ごとに
青い
花踏みちらす