臙脂色(えんじいろ)は誰にかたらむ血のゆらぎ春のおもひのさかりの命(いのち) 紫の濃き虹説きしさかづきに映(うつ)る春の子眉毛(まゆげ)かぼそき 己(おの)が路(みち) わが行(ゆ)く路(みち)は常日頃(つねひごろ) 三人(みたり)四人(よたり)とつれだちぬ、 また時として唯(た)だ一人(ひとり)。 一人(ひとり)行(ゆ)く日も華やかに、 三人(みたり)四人(よたり)と行(ゆ)くときは 更にこころの楽(たのし)めり。 我等は選(え)りぬ、己(おの)が路(みち)、 一(ひと)すぢなれど己(おの)が路(みち)、 けはしけれども己(おの)が路(みち)。 また人に 病みぬる人は思ふこと 身の病(やまひ)をば先(さ)きとして すべてを思ふ習ひなり。 我は年頃(としごろ)恋をして 世の大方(おほかた)を後(のち)にしぬ。 かかる立場の止(や)み難(がた)し、 人に似ざれと、偏(かたよ)れど。