のろひ歌かきかさねたる
椅子の上
薄い
来る日で無いと知りながら
来る日のやうに待つ心。
無地の
恋をする身は待つがよい、
待つて涙の落ちるほど。
馬場孤蝶先生
わたしの
いついつ見ても若い
いついつ見てもきやしやな
古い細身の
わたしの
ものおやさしい、
ふらんす、ろしあの小説を
わたしの
わたしの
それで
はしやぐやうでも
扇の
故郷
その門前の
光る
鳥の尾のよにやはらかな
青い芽をふく
立つて見上げたかなしさか。
重い
その
いいえ、それではありませぬ。
生れ故郷に
親の無い身は巡礼の
さびしい気持になりました。