渋谷にて
こきむらさきの
ふと
男の机に
男の
男のするよに字を書けば、
また初恋の気に返る。
浜なでしこ
浜なでしこをありがたう。
髪に挿せとのことながら、
避暑地の浜の遊びをば
知らぬわたしが挿したなら、
ゆるい斜面をほろほろと
踏めば崩れる砂山に、
なでしこを摘む楽しさは
女のわたしの知らぬこと。
浜なでしこをありがたう。
恋
むかしの恋の気の長さ、
のんべんくだりと日を重ね、
しやうも、やうも無い日には、
マグネシユウムを
機関の湯気の漏るやうに、
悲鳴を上げて身もだえて
あの