あるときはねたしと見たる友の髪に香の煙のはひかかるかな
わが春の
春の夜
君なき
黄ざくら色の
つつましやかなうたた
まだ見る夢はありながら、
うらなく
牡丹
散りがたの赤むらさきの
青磁の
早くも迫る苦しき日の
回避する心もち……
ええ、よし、それもよし。
女
女、女、
女は王よりもよろづ
世界の香料と、貴金属と、宝石と、
花と、
女の心臓のかよわなる血の
ベエトオフエンの音楽のどの傑作にも
湯殿に
女の誇りに
言ひ寄る男をつれなく過ぐす自由も
女に許されたる楽しき特権にして、
相手の男の相場に負けて破産する日も、
女は
たとへ
男の
婦人運動を排する
女は
人間は
女、女、日本の女よ、
いざ
鬱金香
黄と、
しんこ
それを
きやしやな女の手、
た、た、た、た、と
ああ、なんと
しんこ