髪
つやなき髪に、
はずみ心に縮らせば、
焼けてほろほろ
くちをし、悲し、あぢきなし。
あはれと思へ、
磯にて
浜の日の出の空見れば、
あかね木綿の幕を張り、
静かな海に敷きつめた
(それもわたしの思ひなし)
あちらを向いた黒い島。
九段坂
青き
振返りつつ
消え残る屋根の雪の色に
近き
神田、日本橋、
遠き
星の海を作れり。
電車の
ふと、われは涙ぐみぬ、
高きモンマルトルの
段をなせる
君を眺めし
年末
あわただしい
今年の
わたしの心の
わづか
すべてを
なんにも
する、する、すると幕になる。
市上
騒音と
多弁の世となりぬ。
舌と筆の暴力は
腕の
ここにして勝たんとせば
さて
卑しきを忘れし男、
醜きを
げに君達の名は