女 「鞭(むち)を忘るな」と ヅアラツストラは云(い)ひけり。 「女こそ牛なれ、羊なれ。」 附(つ)け足して我ぞ云(い)はまし、 「野に放(はな)てよ」 大祖母の珠数 わが祖母の母は我が知らぬ人なれども、 すべてに華奢(きやしや)を好みしとよ。 水晶の珠数(じゆず)にも倦(あ)き、珊瑚(さんご)の珠数(じゆず)にも倦(あ)き、 この青玉(せいぎよく)の珠数(じゆず)を爪繰(つまぐ)りしとよ。 我はこの青玉(せいぎよく)の珠数(じゆず)を解きほぐして、 貧しさに与ふべき玩具(おもちや)なきまま、 一つ一つ我が子等(こら)の手にぞ置くなる。