御親まつる墓のしら梅
屋根の草
綿より
細く、はかなく、
たんぽぽの穂がふわと散る。
五月雨と私
ああ、さみだれよ、
そなたを憎いと思つてた。
地を
もし、さみだれが世に絶えて
都も、山も、花園も、
サハラの
恋を命とする身には
涙の添ひてうらがなし。
空を恋路にたとへなば、
そのさみだれはため涙。
降れ、しとしとと、しとしとと、
赤をまじへた、温かい
黒の中から、さみだれよ、
ああ、さみだれよ、そなたのみ、
わが名も骨も朽ちる日に、
涙の手もて