経にわかき僧のみこゑの
浮葉きるとぬれし袂の
虞美人草
深く
ああ、散るままに散るままに、
散るままにこそまばゆけれ。
罌粟の花
この
いえ、いえ、これは太陽が
土を
点、点、点、点、不思議の火。
いえ、いえ、これは「
真夏の愛を地に送る
いえ、いえ、これは人同志
恋に
おお、
わたしのやうに
思ひつめたる
散歩
河からさつと風が吹く。
風に吹かれて、さわさわと
大きく
そして近づく馬のだく。
私は
下を通るは、馬の背に
男のやうな帽を
緑を伸べた地平には、
遠い
赤い点をば一つ置く。