春の日を恋に誰れ倚るしら壁ぞ憂きは旅の子藤たそがるる
新柳
空は
並木の柳、まんまろく
なびく新芽の浅みどり。
すこし離れて見るときは、
散歩の
絵のなかに舞ふ
雲より垂れた
空は
並木の柳、その枝を
引けば
牛込見附外
わけて柳のさばき
それが映つた
柳の
黒く
垂れた柳とすれすれに
白い
あとに
黄いろな電車を
見上げた高い
気おくれのする快さ。
風船