東京にて
わたしはあまりに気が
なんの自分を案じましよ、
君を恋しと思ひ過ぎ、
引き立ち過ぎて気が
「初恋の日は帰らず」と、
わたしの恋の琴の
その弾き歌は用が無い。
昔にまさる燃える
昔にまさるため涙。
人目をつつむ苦しさに、
鳴りを沈めた琴の
じつと
わたしの
わたしは君の
君の
君よ、わたしの
するかとばかり気が
人並ならぬ恋すれば、
人並ならぬ物おもひ。
思ひ返せど気が
またのどかなる昼の恋。
とは思へども気が
君帰らずばなんとせう。
わたしは
図案
久しき留守に
君が手なれの竹の
とる針よりも、糸よりも、
女ごころのかぼそさよ。
江戸紫に置く
ひまなく恋に燃える血の
真赤な胸の
花に添ひたる海の色、
ふかみどりなる
君が越えたる
流れて落ちるわが涙。
さは
わが
花をば揺する風に似て、
君が