旅に立つ
いざ、
いざ、こころよく我を追へ。
頼む男を尋ねたる
その昔にもえや劣る。
女の恋のせつなさよ。
晶子や物に狂ふらん、
燃ゆる我が火を抱きながら、
(一九一二年五月作)
子等に
あはれならずや、その
恋しき
若き
それは
いとしき
しばし待てかし、若き日を
巴里より葉書の上に
大きい
帽の飾りに
こんな事して身の
どうなるやらと言ひながら。