モンソオ公園の雀
君は
マロニエの
わたしは
しだれた枝に日を避けて、
少しはなれた紫の
ひろがる芝を前にして、
絵具の箱を
おお、
一つ寄り、
二つ寄り、
はら、はら、はらと、
きやしやな
わたしへ向いて寄る
それ、お食べ、
それ、お食べ、
それ、お食べ、
聖母の前の
素直なかはいい
わたしは国に居た時に、
朝起きても筆、
祭も、日曜も、
休む
小鳥に
気安い時を持たなんだ。
おお、
わたしへ向いて並ぶこと。
見れば
わたしの忘れぬ子のやうな……
わたしは
それ
かはいい
あれ、まあ挙げた手に
逃げる一つのあの
お前は里に居た
親になじまぬ
わたしは
気が
どうして気安いことがあろ、
ああ、気に掛る、気に掛る、
子供の事が又しても……
せはしい日本の日送りも
心ならずに
身の衰へも、わが髪の
早く落ちるも皆子ゆゑ。
子供を忘れ、身を忘れ、
こんな
思ひ立つたは
子をば
母のわたしの時間から、
うつかりと君が言葉に
いいえ、いいえ、
みんなわたしの心から………
あれ、
それはあなたのせゐでした。
みんな、みんな、
あなた、わたしは
先に日本へ帰ります。
もう、もう絵なんか
モンソオ公園の
そなたに