ああ、
議会の心理を知らずして
衆議院の建物を見上ぐる
たとへば悪貨の多き国に
大英国の金貨も
一たび
良心と、徳と、
理性との平衝を失はずして
人は
見よ、
最も
はた最も卑劣無作法なる
人の価値を
最も粗悪に平均する
民衆を代表せずして
私党を
人類の愛を思はずして
動物的利己を計り、
公論の代りに
私語と怒号と
大胆にも、雄弁にもあらず、
妥協し、屈従して、
政権と
多数の
みづから
彼等を選挙したるは
彼等を寛容しつつあるは
彼等を
まして選挙権なき
われわれ大多数の
貧しき平民の力にては……
かくしつつ、
われわれの正義と愛、
われわれの血と汗、
われわれの自由と幸福は
最も
彼等
或年の夏
米の
わが貧しき
わが子らは麦を嫌ひて
「お米の御飯を」と叫べり。
麦を
わが子らを
わかき母も心には米を好めば。
「部下の遺族をして
窮する者無からしめ
わが念頭に掛かるもの
佐久間大尉の遺書を思ひて、
今更にこころ