月の夜の
たけの髪をとめ
暑き日の午前
暑し、暑し、
曇りたる日の
狭き書斎に
早くも我に先立ちて
友禅の
また、書きさして裂きて
はかなく、いたましく、
みすぼらしく
暑し、暑し、
机の
されど、アウギユストは元気にて
この
筆を
浴びたまはずや、水を。
たた、たたと落つる
水道の水は細けれど、
その
ふと我は
サン・クルウの森の噴水。
隠れ蓑
わたしの庭の「かくれみの」
時も時とて、
夏の初めにいたましや、
みどりの枝のそこかしこ、
たまたまひと
若い
染めて落ちるがいたましや。
わたしの庭の「かくれみの、」
見れば泣かれる「かくれみの。」