第十五曲
堅き
グイッツァンテとブルッジアの間なるフィアンドラ
またはブレンタの
この堤は築かれき、たゞ築けるもの(誰にてもあれ)之をかく高くかく厚くなさゞりしのみ
我等既に林を離るゝこと遠くわれ
我等は堤に沿ひて來れる
彼等みな我等を見、また老いたる
かゝる
彼その
彼を忘れしむるにはたらざりき、われわが顏を彼の顏のあたりに低れて、セル・ブルネットよ、こゝにゐ給ふやと答ふ
彼、わが子よ、ねがはくはブルネット・ラティーニしばらく汝と共にあとにかへりてこの
我彼にいふ、これわが最も希ふところなり、汝またわが汝と共に
彼曰ふ、あゝ子よ、この群の中
されば行け、我は汝の衣につきてゆき、永劫の罰を歎きつゝゆくわが
我は路をくだり彼とならびてゆくを得ず、たゞうや/\しく歩む人の如くたえずわが
彼曰ふ、
我答へて彼に曰ふ、
わが
彼我に、美しき世にてわが量れること違はずば汝おのが星に從はんに榮光の湊を失ふあたはず
またわが死かく早からざりせば天かく汝に
されど
汝の善き行ひの爲に却つて汝の仇とならむ、是亦宜なり、そは酸きソルボに
彼等は世の古き名によりて
汝の命運大いなる譽を汝のために備ふるにより彼黨此黨いづれも飢ゑて汝を求めむ、されど草は山羊より遠かるべし
フィエソレの獸等に己をその
この處かく大いなる邪惡の巣となりし時こゝに殘れるローマ
我答へて彼に曰ふ、若しわが願ひ凡て成るをえたらんには汝は未だ人の
そは世にありて我にしば/\人不朽に入るの道を教へたまひし當時の慕はしき善きあたゝかきおも影はわが記憶を離るゝことなく 八二―
今わが胸にせまればなり、われこの教へを徳とするいかばかりぞや、こは生ある間わが語ることによりてあきらかなるべし
わが行末に
知りて義を示すを待たん、願はくは汝この一事を知るべし、曰く、わが心だに我を責めずば、我はいかなる命運をも恐れじ
かゝる契約はわが耳に新しき事に非ざるなり、この故に命運は己が好むがまゝに其輪を轉らし農夫は鋤をめぐらすべし
この時我師右の
かゝる間も我はたえずセル・ブルネットとかたりてすゝみ、その
彼我に、知りて善き者あり、されど
たゞ知るべし、彼等は皆僧と大いなる名ある大いなる學者の同じ一の罪によりて世に穢れし者なりき
プリシアンかの幸なき群にまじりて歩めり、フランチェスコ・ダッコルソ亦然り、また汝深き願ひをかゝる
その外なほ擧ぐべき者あれど行くも語るもこの上にはいで難し、かしこに砂原より立登る新しき烟みゆ
こはわが共にあることをえざる民來れるなり、我わがテゾーロによりて生く、ねがはくは之を汝に薦めん、また他を請はず
かくいひて身をめぐらし、あたかも緑の衣をえんとてヴェロナの
負くる者ならで勝つ者の如くみえたりき