第七曲
パペ、サタン、パペ、サタン、アレッペ、聲を嗄らしてプルートは叫べり、
我を勵まさんとていひけるは、汝おそれて自ら損ふなかれ、彼にいかなる力ありとも、汝にこの岩を降らしめざることあらじ
またかの膨るゝ顏にむかひいひけるは、
かく
たとへば風にはらめる帆の檣碎けて縺れ落つるごとく、かの猛き獸地に倒れぬ
かくして我等は宇宙一切の惡をつゝむ憂ひの岸をすゝみゆき、第四の
あゝ神の正義よ、かく多くの新なる苦しみと痛みとを
かの
我はこゝに何處よりも多くの民のかなたこなたにありていたくわめき、胸の力によりて重荷をまろばすをみき
かれらは互に打當り、あたればたゞちに身を飜し、何ぞ溜むるや何ぞ投ぐるやと叫び、もときしかたにまろばせり
かくて彼等はかなたこなたより異なる
かくして圈の
いひけるは、わが師よ、これ何の民なりや、また我等の左なる髮を削れるものらすべてこれ僧なりしや、いま我に示したまへ
彼我に、かれらは悉く第一の世に心ゆがみて程よく費すことをなさざりしものなり
こはこの地獄の中
頭に毛の
我、師よ、わが識れるものにてこの罪咎に汚るゝものかならずかれらの中にあらん
かれ我に、汝空しき思ひを懷けり、彼等を汚せる
かれら限りなくこの二の牴觸をみん、此等は手を閉ぢ、これらは髮を短くして墓よりふたゝび起きいづべし
あしく費しあしく貯へしことは美しき世をかれらより奪ひ、かれらにこの爭ひあらしむ、われこゝに
子よ、汝いま知りぬらん、命運に委ねられ、人みなの
そは月の下に今ありまた昔ありし
我彼に曰ふ、師よ、さらにいま我に告げよ、汝謂ふ所の命運とはこれいかなるものにて斯く世の富貴をその手の裡にをさむるや
彼我に、あゝ
夫れその智萬物に超ゆるもの諸天を造りてこれに司るものを與へたまへり、かくて各部は各部にかゞやき
みな分に應じてその光を頒つ、これと同じく世にありてもまたその光輝をすべをさめ且つ導く者を立てたまへり
このもの時至れば空しき富貴を民より民に血より血に移し人智もこれを防ぐによしなし
此故にその
汝等の智何ぞこれに
その推移には
彼を讚むべきもの却つて彼を十字架につけ、故なきに
されどかれ
いざ今より我等は尚大いなる憂ひにくだらん、わが進みしとき登れる星はみな既にかたむきはじむ、我等ながくとゞまる能はず
我等この
水の
この悲しき小川はうす黒き魔性の坂の裾にくだりてスティージェとよばるゝ一の沼となれり
こゝにわれ心をとめて見んとて立ち、この沼の中に、泥にまみれみなはだかにて怒りをあらはせる民を見き
かれらは手のみならず、頭、胸、足をもて撃ちあひ、齒にて互に噛みきざめり
善き師曰ふ、子よ、今汝は怒りに
この水の下に民あることを、かれらその
今我黒き
かくして我等は乾ける土と濡れたる沼の間をあゆみ、目を泥を飮む者にむかはしめ、
つひに一の