あし
著者:新美 南吉 読み手:畠山 有香 時間:3分27秒
二ひきの馬が、まどのところでぐうるぐうるとひるねをしていました。
すると、すずしい風がでてきたので、一ぴきがくしゃめをしてめをさましました。
ところが、あとあしがいっぽんしびれていたので、よろよろとよろけてしまいました。
﹁おやおや。﹂
そのあしに力をいれようとしても、さっぱりはいりません。
そこでともだちの馬をゆりおこしました。
﹁たいへんだ、あとあしをいっぽん、だれかにぬすまれてしまった。﹂
﹁だって、ちゃんとついてるじゃないか。﹂・・・