寝ぼけ
著者:夢野 久作 読み手:ちくわさん 時間:4分4秒
太郎さんはしじゅう寝ぼけてしくじるので、口惜しくてたまりません。明日は運動会だから、決して寝ぼけずにちゃんと自分で支度をして、みんなを驚かしてやろうとかたく決心をして寝ました。
あくる朝大へん早く起きたものがありますから、太郎さんは飛び起きますと、お母さんが坐って、
﹁太郎さん、今日は雨がふって運動会がお休みになったのだよ。さっき先生がお寄りになったから本当です。ゆっくりお休みなさい﹂
と言われました。太郎さんは昨日先生が﹁雨が降ったら運動会はおやめ﹂と言われた事を思い出して、安心して眠りました。
しばらくすると又太郎さんはお母さんからゆすぶり起こされました・・・