二ひきの蛙
著者:新美 南吉 読み手:室 由美子 時間:4分43秒
緑の蛙と黄色の蛙が、はたけのまんなかでばったりゆきあいました。
﹁やあ、きみは黄色だね。きたない色だ。﹂
と緑の蛙がいいました。
﹁きみは緑だね。きみはじぶんを美しいと思っているのかね。﹂
と黄色の蛙がいいました。
こんなふうに話しあっていると、よいことは起こりません。二ひきの蛙はとうとうけんかをはじめました。
緑の蛙は黄色の蛙の上にとびかかっていきました。この蛙はとびかかるのが得意でありました。
黄色の蛙はあとあしで砂をけとばしましたので、あいてはたびたび目玉から砂をはらわねばなりませんでした・・・