いちょうの葉
著者:小川 未明 読み手:高橋 ユミ子 時間:6分30秒
幸ちゃんと、清ちゃんは、二つちがいでしたが、毎日仲よく学校へゆきました。いつも幸ちゃんが迎えにきたのです。
﹁もう、幸ちゃんが、迎えにくる時分だから。﹂と、清ちゃんは、早くご飯を食べて、机の上の本や、筆入れをランドセルに入れました。すると、
﹁清ちゃん。﹂と、いって、はたして、幸ちゃんが、迎えにきました。
﹁いますぐ、待っていてね。﹂と、いうより早く、清ちゃんは、家から駆け出して、二人は、話しながら、学校へいったのであります。
ある日、いつも幸ちゃんがくる時分なのに、どうしたのか、こなかったから、清ちゃんはこちらから、幸ちゃんの家へ迎えにゆきました。すると、幸ちゃんは、かぜをひいて、昨夜から熱が高くて、床についているのでした。
﹁じきなおりますから迎えにきてくださいね。﹂と、幸ちゃんのお母さんはおっしゃいました・・・