ならずもの
著者:グリム/矢崎 源九郎 訳 読み手:水野 久美子 時間:9分23秒
オンドリがメンドリにいいました。
﹁もうクルミがうれる時期になったよ。どうだい、いっしょに山へいって、思いきり食べてこようじゃないか。まごまごしていると、リスのやつにみんなもっていかれちまうからね。﹂
﹁けっこうね。﹂
と、メンドリがこたえました。
﹁いきましょうよ。ふたりでたのしんできましょうね。﹂
そこで、ふたりはいっしょに山へでかけました。とてもいいお天気でしたので、ふたりは夕がたまで山にいました。
ところがですよ、ふたりがあんまり腹いっぱい食べすぎたせいか、それとも、高慢ちきになってしまったためか、そのへんのところはよくわかりませんけど、とにかく、ふたりとも歩いてかえるのがいやになってしまったのです・・・