赤ずきん
著者:グリム/矢崎 源九郎 訳 読み手:羽山 芽衣 時間:12分6秒
むかしむかし、あるところにちっちゃな、かわいい女の子がおりました。その子は、ちょっと見ただけで、どんな人でもかわいくなってしまうような子でしたが、だれよりもいちばんかわいがっていたのは、この子のおばあさんでした。おばあさんは、この子の顔を見ると、なんでもやりたくなってしまって、いったいなにをやったらいいのか、わからなくなってしまうほどでした。
あるとき、おばあさんはこの子に、赤いビロードでかわいいずきんをこしらえてやりました。すると、それがまたこの子にとってもよくにあいましたので、それからは、もうほかのものはちっともかぶらなくなってしまいました。それで、この子は、みんなに﹁赤ずきんちゃん﹂﹁赤ずきんちゃん﹂とよばれるようになりました。
ある日、おかあさんが赤ずきんちゃんをよんで、いいました・・・