月謝の袋を失くしたあひるさん
著者:村山 籌子 読み手:西川 美映子 時間:4分12秒
あひるさんは泣きながら学校から帰つて来て、お母さんに申しました。
﹁お母さん、先生から頂いた月謝の袋を落したの。先生に叱られるといや﹂
お母さんはおつしやいました。
﹁あひるさんや、カバンの中をしらべて見て、なかつたら、明日、先生によくお話しをなさい﹂
そしてお八つの牛乳を下さいました。けれどもあひるさんは一口も飲みません。
﹁あひるさんや、さあ、お飲みなさい。心配をしないで。とてもあたたかくて、うまい牛乳ですよ﹂と、お母さんは、あひるさんの口に牛乳の瓶をおしつけました・・・