七羽のカラス
著者:グリム/矢崎 源九郎 訳 読み手:中田 真由美 時間:11分10秒
むかし、ある男に七人のむすこがありました。けれども、むすめはひとりもありませんでした。それだけに、この男はむすめをたいそうほしがっていました。
そのうちに、おかみさんのおなかが大きくなって、子どもが生まれそうになりました。やがて生まれた子どもは、待ちにまっていた女の子でした。
この男はどんなによろこんだかしれません。けれども、子どもは小さくて、やせこけていました。そして、からだがよわいため、すぐにかりの洗礼をうけさせなければなりませんでした。
おとうさんは、男の子のひとりをおおいそぎで泉にやって、洗礼の水をもってこさせようとしました。すると、ほかの子どもたちも、いっしょにかけていきました・・・