静止画にすると見える縞シマノイズの謎
DVカムやテレビ録画した映像を一時停止してみると、縞シマのノイズが発生しているのに気づいた人も多いだろう。
テレビは横にスライスした525本の走査線で描かれているが、走査線を1本飛ばしにした1/60秒単位のトップフィールドとボトムフィールドが合成された映像だ。これを「インターレース方式」と呼んでいる。
イラストでは、2つのフィールドを合成し、輪郭のはっきりした映像となっているが、撮影するカメラも1/60秒単位のフィールドでデータを記録しているため、第1フィールド目を撮影し終え第2フィールド目を撮影しようとすると、すでに1/60秒が過ぎている。だから実際には、車が少し動いた状態が第2フィールドとして記録されてしまう。
そんなフィールドを合成すると、次のような映像になってしまうのだ。
見た目の問題じゃない! 圧縮率と画質向上のためのノイズ消去
DivXの映像は、1/30秒ごとにフレーム単位で記録・描画が行なわれる﹁プログレッシブ方式﹂︵﹁ノンインターレース﹂と呼ばれる場合もある︶。エンコードは、縞が入った映像に対して行なわれる。 だが縞シマもMPEGの不得意な映像のひとつ。圧縮は8×8ピクセル単位に行なわれるが、縞の部分は1ラインごとにトップフィールドとボトムフィールドの映像がブラインドのように互い違いになっているため、非常に圧縮効率が悪いのである!︵DVDオーサリングソフトでは、MPEG-2のインターレース映像を出力するが、このエンコードではフィールド単位でデータを圧縮する︶ そこでエンコーダに映像を渡す以前に、コーミングノイズを消しておくと、圧縮効率が向上しデータをコンパクトにできる。その結果、VBRでエンコードすると浮いたデータ容量ぶんだけ、動きの激しいシーンに高いビットレートを割り当てられ高画質にできるのだ。 つまりインターレースの解除は、見苦しいからするのではなく、データの圧縮効率を高め、高画質化するために行なうのである。エンコードまめテクニック
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