今回は前回に引き続き、Windows Subsystem for Linux(WSL)にアプリをインストールするためのaptコマンドについて解説する。
パッケージでインストールされたファイルを確認する
パッケージがインストールされているとき、そのパッケージに含まれるファイルがどこにあるのかを調べたいときがある。パッケージには実行ファイル自体や設定ファイル、ドキュメントなどが含まれている。またLinux系では、実行ファイルが、実はシェルスクリプトだということも珍しくない。インストールされたファイルがわかれば、コマンドについていろいろと調べることができる。
dpkgコマンドを使えばパッケージ名がわかれば、該当のパッケージでどのディレクトリにどんなファイルがインストールされたのかを調べることが可能だ。それには
dpkg -L パッケージ名
とコマンドを実行する。
実際にパッケージをインストールする
パッケージ名がわかれば、インストールは簡単にできる。システムのバージョンや依存する他のパッケージなどは、何も考える必要がなく、aptコマンドが自動的に判断して必要な処理をおこなってくれる。インストールはapt-getコマンドで行ない、
sudo apt-get install パッケージ名
とする。
パッケージをアンインストールする
インストールされているパッケージが不要になったらアンインストールが可能だ。アンインストールには2つの方法がある。1つは、実行ファイルやドキュメントなどの主要な部分を削除するが、設定ファイルを残しておく方法︵remove︶。もう1つは、設定ファイルも含め、完全にパッケージに含まれていたファイルと関連ファイルを削除する方法︵purge︶だ。 removeを使えば、再度同じパッケージをインストールしたときに、前回の設定をそのまま利用できる。ただし、これを繰り返していると、不要な設定ファイルが残り続け、他のマシンに引越するような場合にどれが必要なのかがわからなくなる。よほど大物のソフトウェアか、複雑なソフトウェアでもなければ、設定は単純なので、削除してしまっても問題ない。 具体的なコマンドは、 sudo apt-get remove パッケージ名 sudo apt-get purge パッケージ名 である。なお、パッケージをアンインストールすると、それまでの依存関係がなくなり、インストールされているパッケージの中には、どこからも参照されない(必要とされない)パッケージができることがある。こうしたものは、apt-get autoremoveコマンドで削除することができる(後述)。
パッケージのアップグレード
パッケージに含まれるソフトウェアも、バグ修正などで日々アップデートしていく。aptコマンドは、こうしたパッケージを最新のものに置き換えるupgradeの機能がある。
WSLでも、ログイン直後にアップグレードがなんとかといったメッセージが表示されることがある。
これはmotd(Message of the day)と呼ばれる仕組みで、メッセージは一日一回しか出ない。同じメッセージを再度表示させたいなら、/etc/update-motd.d/90-updates-availableに記述されている以下のコマンドを実行させる。
/usr/lib/update-notifier/update-motd-updates-available
具体的に、どのパッケージがアップグレードできるのかを表示させるには、
apt list --upgradable
とする。
このような場合には、以下のコマンドを使ってパッケージのアップグレードを行なう。
sudo apt-get update
sudo apt-get upgrade
sudo apt-get autoremove
最初のコマンドは、パッケージリストの更新、次のコマンドは、パッケージのアップデート作業、最後のコマンドは、不要になったパッケージの自動削除である。
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