無線LANは、素人は手を出さない方がいい - 中小事業所のオフィスインフラを考える
そして、あまりにも便利なので利用者のニーズが高く、ちょっと不安定だとクレームも声高になりがちです。利用者自身で解消できることもあるのにー、みたいなイライラもあります。
実際トラブルに見舞われると、無線は目に見えない分、対処がしづらいです。
そんな無線LANが、今回のテーマとなります。
勉強なしに無線LANの世話をするのはキツイのです
勉強する時間も気力もないなら、それを素直に認めて業者に任せましょう。
自宅で無線LANを運用していて、SSIDとパスワードと暗号化のところを理解してきちんと設定が出来ているのであれば、アクセスポイント1台まではなんとかなるかもしれませんが、それでも家庭で1人2人が使うのとオフィスで10人以上が使うのとでは、まるで勝手が違います。
このシリーズでは、なるべく専門的な用語は使わないようにしてきたつもりですが、この無線LANを扱う際には、その制限を外さないと説明ができませんし、このレベルの記事でわからない単語がたくさんあるならば、なおさら自力でやるのは諦めることをおすすめします。
謙虚さが大事です。 謙虚じゃない私は、わりとエライ目にあっています。予算を確保する方に力を入れて、あとはまるっと任せればよかったと。
外部に任せる新しい選択肢「マネージド・サービス」
基本的には、貸出台数あたり月額制で、設置時のコンサルティングから、利用開始後の稼働状況の監視、設定変更などの保守サポートにも応じてくれるタイプのものとなります。
設置もお任せ、トラブル対応もお任せ、故障なら設定済の交換用機材を送ってもらって付け替えるだけ︵故障時用代替機を格安でクライアント側に在庫させておくプランもあり︶という、お任せサービスとなっています。
私は直接導入したことがないので、﹁注目﹂のレベルになってしまうのですが、導入実績の多い﹁AMIYA HyperSonix﹂と、NTT東日本が最王手ネットワーク機器ベンダーCisco Systemsと組んでスタートさせた﹁NTT東日本 ギガらくWi-Fi﹂の2つが気になっています。 www.amiya.co.jp
flets.com
フレッツ光のギガプランを存分に使ってもらうべく、最新の高速通信規格の802.11ac対応機器をレンタル機器として出してきた﹁ギガらくWi-Fi﹂に対し、先行のAMIYAがどんな対応をしてくるか。
自力で構築する場合
法人用アクセスポイント機器を購入すること。
買ってきてそのまま接続したら、セキュリティ的にはザル。屋外に漏れた電波から社内LANにアクセスし放題ではお話になりません。
その前提の上で、機材を選ぶことになりますが、法人用として販売されているものを選んでださい。
家庭用でアクセスポイント専用機器として販売されているものはほとんどないですから、家庭用を流用する場合ルータ統合型でルーター機能を停止させて使うことになります。はっきり言って無駄です。
法人用モデルの場合、1台あたりの接続数の目安も示されていることが多いですので、これも参考になります。
とは言え、流通しているものは大抵25〜50〜100接続/1台です。
なんだかんだでコストパフォーマンスがよいのが、ELECOMのWABI-1750-PSです。 最先端規格の802.11ac 1300Mbpsモードを先取りしており、不安定な時期もありながら、 ファームウェアのバージョンが上がって、かなり安定度が高まりました。
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ELECOM 無線アクセスポイント 1300+450Mbps 11ac対応 PoEパススルー機能搭載 WAB-I1750-PS
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- 発売日: 2013/11/29
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安定してきたといえ、時々電波が掴めない︵クライアント側からみて電波を検知してるのに通信できない、新規接続を受け付けない︶などの事象が出ますが、素直に電源レベルで再起動すれば解消します。
その程度の手間、と考えられるならおすすめです。そんなレベルのものなんてありえない、と思うならナシです。
アクセスポイントの必要台数は、端末数と、カバーエリアで決まる。
試しに設置してみた上で、電波強度チェックのアプリなどを使って、地道に調査することになります。 私の場合、MacBookAirにWiFi Explorerをインストールして、オフィス内を歩きまわって電波の混雑状況なども合わせて確認しています。iPhoneで動く同等のアプリがあると嬉しいんですけど、ないんですよね。Androidはあるらしいのですが。
とりあえず中央において、どこまで電波が届くか。壁で区切られた先、会議室などはどうか。 その届く範囲に、どれくらいの端末が存在する予定か。 密集しすぎるようであれば、電波の出力レベルを弱めて1台あたりのカバー範囲を狭くし、複数台設置するのがよいでしょう。
電波強度と通信速度の劣化、そして電波干渉
そして、 電波が届くギリギリの場所で通信すると、そのアクセスポイントを使う他の端末含めて全体の通信速度が遅くなる、といった問題が顕著になります。
さらに、低層階や他の建物との距離が近い密集地域では、社外で利用されている無線LANの電波がたくさん入ってきます。オフィスを構える各社が出す電波、公衆無線LANとして喫茶店等から出す電波。たくさんあり、それが干渉し合います。
歴史が古く屋外利用も許されている2.4GHz帯は特に混雑しており、屋外利用が禁止されている5GHz帯は比較的空いている、と言われていますが、空いている方にみんなこぞって集まってきてそのうち大差なくなるでしょう。
こうした問題への対処が、私を含めた素人には一番むずかしいと思います。
YamahaのWLX302というアクセスポイント機器は、規格こそ802.11a/b/g/nまでの対応となっていますが、こうした「距離が離れて通信モードが落ちた時、あるレベル以下になったら切断する」という設定方法が用意されています。
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追記:2017/7/14
少し前のことですが、YamahaさんからもIEEE802.11ac対応機種「WLX202(866Mbps)」「WLX402(1733Mbps)」がリリースされ、上記に紹介した「WLX302」が生産終了となっています。
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また、ELECOMさんも、802.11acで更に速い機種「WAB-M2133(1733Mbps)」が投入されています。
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いわゆる「802.11ac wave2」と呼ばれる規格に対応した製品が出揃ってきたわけですが、価格やクライアント側の規格対応状況を鑑みて検討しましょう。
設置する場所は、「とにかく高い位置から浴びせるように」が基本です。
そうした場合、壁面をうまく使いましょう。
マグネットが使える壁や住器、あるいは、C工事で追加で立て付けた壁面へのネジ止めになります。 上記で紹介したELECOMのWAB-I1750は、マグネットも壁面設置用の金具とビスもセットになっている親切パッケージです。
どうしても、程よいもの、程よい場所がない場合、机上でもまあしかたないですが、人の身体などで電波を吸収し低減してしまうらしいですので、とにかく棚でもなんでも高いところを見つけて置くようにしましょう。
電源をどうするか
そういうことを見越して、PoEという、通信のためのLANケーブルでそのまま電力供給する規格があります。そして、法人用無線LANアクセスポイント機器であれば、大抵はPoEによって受電することに対応しています。
そして、PoEを使うためには、電気を送る側も対応していなければいけません。 必要となるのはPoEインジェクタ︵1台分だけ給電︶か、PoE対応ハブ︵複数台給電︶を使うことになります。 1フロアに複数台のアクセスポイントを設置するならPoE対応ハブが2万円、1台でいいならPoEインジェクタを使うのがコスト的に良いと思います。
PoEハブは、通常のスイッチングハブの3〜4倍のお値段です。 NETGEARのGS108PEあたりが最安値帯です。
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インジェクタの場合だと、PLANEXのこの辺りが最安でしょうか。
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いずれも、ギガビットイーサネット対応のものを選んでおきましょう。
100Mbpsまでで良いなら、もっと安いものもありますけど。
ゲスト用の無線LANを用意したいんだけど、、、
追記 (2017/4/7)
中小事業所の話とは少しズレますが、無線のプロはこんなこと考えて設計、構築しているようですね。
大学等での高密度無線LANでなくても使えそうなノウハウが書いてあります。(というか「基本」があった上での高密度用独自ノウハウなので)
www.cisco.com