エコカーの真相/第六回 リーフ NISMO RCは本当に必要か?(1/3)
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- 筆者: 桃田 健史
- カメラマン:オートックワン編集部
まさか本気(マジ)で走るとは!?
2011年6月6日、袖ヶ浦フォレストレースウェイ︵千葉県袖ヶ浦︶。カーボンファイバーむき出しの、﹁いかにもプロトタイプ﹂に見えるレースカーが走行した。
これは、日産﹁リーフ NISMO RC﹂。
今年4月20日に米ニューヨークショーで世界デビューした車両の実走行版だ。NY現地で多くの米国人は﹁ただのショーモデル。まさか本気で走るマシンじゃないはず﹂と思った。
ところが、日産は本気だったのだ。
これまでに公開されている車両データは、最高出力80kw、0-100km/h加速6.85秒、最高速度149km/h、車両重量はノーマル﹁リーフ﹂対比で約40%減。
リチウムイオン二次電池は﹁リーフ﹂と同型のAESC︵オートモーティブ・エナジー・サプライ社製︶。搭載位置は﹁リーフ﹂が車体中央下部であるのに対し、﹁リーフNISMO RC﹂ではコックピットの後部に直方形の電池パックを仕込んだ。
電池容量は未公開だが﹁レーシングスピードで走行して巡航可能時間は約20分間﹂というのが日産側の説明だ。またモーターとインバータも﹁リーフ﹂と同型で、搭載方法はリアサスペンションと一体ユニット化されている。
日産は同マシンを、仏ルマン24時間レースでデモ走行させた。さらに日産関係者によると、来年から同マシンによるワンメイクレースなどを日米欧各地で開催したいという。
では、なぜ日産はこの時期、リーフのレース仕様を作ったのか。
将来のスーパーGTを見据えて?
﹁リーフ﹂のスーパーカーバージョンが出るから?
ゴーンCEOの趣味だから?
いやいや、それらはどれも不正解。かといって、日産側も﹁︵ワンメイクレースという目先の話はあるにしろ、根本的な方向性としての︶明確な答え﹂を用意していない。
日産側としては﹁未来の自動車の可能性を探って・・・﹂と言うに止まる。
では日産に代って、筆者がズバリ言おう。
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筆者桃田 健史
日米を拠点に、欧州、BRICs(新興国)、東南アジアなど世界各地で自動車産業を追う「年間飛行距離が最も長い、日本人自動車ジャーナリスト」。自動車雑誌への各種の連載を持つ他、日経Automotive Technologyで電気自動車など次世代車取材、日本テレビで自動車レース中継番組の解説などを務める。近著「エコカー世界大戦争の勝者は誰だ?」(ダイヤモンド社)。1962年東京生まれ。記事一覧を見る
監修者MOTA編集部
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