2012年11月19日、インテルの5代目CEOポール・オッテリーニが、来年2013年5月に退任することを発表した。 米バーンスタインのアナリスト、ステーシー・ラスゴン氏は、﹁一見計画的とも見られる経営トップ交代だが、インテルが“史上最大の難題”に直面しているこのタイミングでの発表は意外だ﹂とコメントしている︵﹁ウォール・ストリート・ジャーナル﹂日本版、2012年11月20日︶。 私は、“史上最大の難題”どころか、インテルが会社存亡の危機に直面していると思っている。この退任報道は、その一端を象徴する出来事と捉えている。 今起きている現象には、たとえそれが突拍子もないことに見えたとしても、必ず、その原因がある。インテルが危機に陥り、オッテリーニがCEO退任を発表した背後には、﹁パラノイア︵偏執狂︶でなければ生き残れない﹂という言葉で有名な3代目CEOアンドリュー・グローブ︵現在上席顧問︶の幻影