— 黒色中国 (@bci_) 2017年6月27日 ▲先日は、こちらのツイートがたくさんRTされましたが、その後、中印国境の緊張はどうなったのか気になっていたものの、日本ではほとんど報道がありません。 しかし、RFAで見ると次のようなニュースがありました。 ●中印边境冲突 中国外交部‥印度这次越界 性质非常严重 印度军方: 已准备好战争 表題だけ読むと、中国外交部は、今回のインドの越境行為は非常にタチが悪い…と主張し、インド軍は﹁戦争の準備はできてるぜ﹂とすっかりヤル気になっている…ということです。 このニュースを細かく読んでみようと思います。 このニュースは4つの部分からなっていて、まずは中国外交部の声明を要訳すると… ●7月3日の中国外交部の声明によれば、中印国境部隊によるシッキム地域での衝突はすでに20日間を越えており、インドが派遣している武装部隊は既定の国境線を越えており、これは過去に結ばれた条約や、国連憲章ならびに国際法の基本原則に違反し﹁性質が非常に厳重﹂なものである。 次はインド陸軍総長の発言 シンガポールの聯合早報によれば、インドのラワット陸軍参謀総長は6月29日、シッキムの前線を視察した後の声明で﹁インドは既に2.5線戦争の準備は出来ており、すなわち中国・パキスタンおよび国内の安全に対応している。﹂ 中国国防部のスポークスマンによると、解放軍は既にインド国境付近のチベットで35トンの軽型戦車を配備し、戦闘訓練を行っており、中国国境部隊は絶対に国家主権と領土の完整を守る…と強調した。 明鏡網︵香港の新聞のウェブ版︶によると,今回の中印国境衝突は、1962年の中印戦争以来、最長期間の対峙であり、現在双方が非難しあって譲らず、緊張が高まっている。【動画】『中国軍がインド側の塹壕破壊 中印がにらみ合い』中印両軍が国境地帯でどのような「にらみ合い」をしているのか気になったので調べてみると…いつの撮影かわかりませんが、こんな動画がありました。マジで両軍兵士が境界を挟み、今にも掴みかからんばかりに、にらみ合っております(^^) pic.twitter.com/iagR5Hn4Gh
﹁2.5線戦争﹂とは?
聞きなれない言葉ですが、中国側でもこのインド陸軍参謀総長の言葉が何なのか、気になる人が多かったようで、早速次のような記事が出来ていました。 この記事の中に解説があり 所谓“2.5线战争”,提法来源于1960年代冷战时期的美国。当时美国担心苏联和中国在欧亚的威胁,提出要“在欧洲应对一场大规模战争,同时在亚洲应对一场大规模战争,在世界其他地区应对一场小规模地区冲突”(1+1+0.5)。 いわゆる﹁2.5線戦争﹂とは、1960年代の冷戦期の米国に起源がある言葉で、米国がソ連と中国による欧亜の脅威を警戒し、提案したのが﹁欧州の大規模戦争に応対し、同時にアジアの大規模戦争にも応対し、世界のその他の小規模地区衝突にも応対する︵1+1+0.5︶﹂ …だそうです。 つまり、インドにとっての大規模戦争の相手の中国・パキスタン︵1+1︶と国内安全︵0.5︶への準備は既に出来ている…別の言い方をすれば、インドは﹁中パへの二正面作戦と、国内安全︵テロ対策?︶への同時対応ができる﹂という意味なのでしょうね。35トンの軽型戦車とは?
●中国神秘新坦克进驻西藏震慑印度 ▲﹁中国神秘の新戦車がチベットに進駐してインドを震え上がらせる﹂との記事。こちらを要訳すると… ●中国人民解放軍がチベット高原で演習を行っている中に、新型の戦車が現れた。 ●この戦車は、射撃仰角が大きく、山地作戦に優れている。 ●全重量は33~38トンで、高原環境にも適応している。 ●ちなみにこれは﹁軽戦車﹂ではなく﹁軽量型主力戦車﹂であるとのこと。 ●中国空軍のIL-76、Y-20で空輸することができる。
申し訳ありませんでした
— mssn65 (@jpg2t785) 2017年7月4日 ▲最初、こちらの記事では誤って、35トンの軽型戦車を﹁VT-5﹂とお伝えしておりましたが、ご指摘を受けて削除いたしました。申し訳ありませんでした。 チベットに配備されている軽型戦車の名称は不明だそうですが、 ▲でも、YOUTUBEに紹介動画があがっておりました。 こちらはCCTV7ch︵軍事・農業チャンネル︶の番組ですが、この中でも正式名称不明で、﹁新軽担﹂︵シンチンタン︶としか呼ばれていません。番組中の説明を書き出すと… ●35ミリ榴弾発射機、12.7ミリ機関銃を装備。 ︵主砲については説明無し︶ ●卓越した機動性と強大な戦場感知能力を有し、情報化レベルは米軍に匹敵する。 ●砲塔正面の防護力は96A式戦車よりも強化されている。 ●インドのT-90S主力戦車よりも遥かに優れている。 ただし、番組中で出てくる戦車は現在チベットで配備されている96A式で、新軽担ではないようです。認識に誤りがあります。VT-5というのは輸出用戦車であって中国軍には配備されていません。外観も製造会社も異なります。 https://t.co/NeqU7AG50r