これまでも何度も登場してきたメモアプリケーションEvernote。その特徴の1つは画像やWebクリップなども保存できること。2つ目は、Webアプリケーションとして閲覧や書き込みができるだけでなく、Windows版やMac OS版、Windows Mobile版、iPhone版などのクライアントソフトが用意されており、どんなデバイスでメモを取っても自動的に同期されることです。
対談ではタグの使い方を紹介しましたが、そのときに利用したツール――Evernoteをどう使いこなしたらいいか、筆者の使い方を例にご紹介しましょう。
Evernoteは、自分のメモ管理専用のメールソフトと考えるといいでしょう。いわゆる「3ペイン」のメールソフトです。「ノートブック」や「タグ」が並ぶのは、「受信トレイ」や「送信ボックス」の並ぶスペース。Creation Date、Title、Tagsなどの項目が上部に表示されて、その下にノートがリストアップされている様子はメールそのものですし、そのノートを選択すると、プレビューが表示されるのも基本的なメールソフトと同じ構造です。
もちろん、リスト中の[Creation Date]項目をクリックすればノートを新しい順に並べ替えることができます。もう一度クリックすれば古い順に並べ変わります。
新しいノートを作るには、[New Note]のアイコンをクリックすればOKです。あるいは、本文表示ペインの最後のページが白紙になっているので、その白紙に文字を入力すれば新しいノートを作ることができます。
Notebooks以下に並ぶのは、Windowsのエクスプローラでいえばフォルダに相当します。これはこれで便利ですが、ここの数をあまり増やすと、思わぬノートが意外なNotebooksに入っていて、後ほど探しにくくなるのでお勧めしません。
可能な限り少なく、そして独立性の強いものだけを別のNotebooksで管理するようにします。1つも新たに作らなくても、かまわないでしょう。
Evernoteではメモごとに簡単にタグ付けできます。タグはあとでネームを変えることもできますし、タグだけを削除しても、そのタグの付いたメモは削除されません。したがって安心してタグを管理することができます。
ただし、筆者はEvernoteにメモを取った直後は、タグ付けしないことも多いです。毎日夕方ごろに改めて、そうした﹁タグなしメモ﹂だけを見直してタグを付けるようにしています。タグの付いていない状態にあるうちは、まだメモは﹁短期メモ﹂であり、残す価値があるかどうかを吟味し、残す価値があると分かったら、タグを付けて﹁長期保存メモ﹂にするわけです。
さて、筆者は次のようなタグ付け基準を持っています。
タグ付けの基準
順序 |
意味 |
タグ記述ルール |
1番上に並べる |
「よく使うタグ」 |
.+[]で囲む |
2番目に並べる |
「コラムや連載で使うようなタグ」 |
.+「」で囲む |
3番目に並べる |
「書籍を書くための使うメモのタグ」 |
.+『』で囲む |
|
このタグ付けの意味は、タグそれぞれが﹁プロジェクト名﹂と対応していることです。例えば、本連載を筆者はプロジェクトと位置づけていますから、本連載に役立ちそうな資料となるメモはすべて.﹁シゴトハッカーズ﹂というタグを付けています。
同時に、その資料が例えば書籍の執筆などにも役立ちそうであれば、.﹃書籍名﹄というタグも付けておきます。このように、複数属性を持たせられるのは、タグ管理方式の大きなメリットと言えるでしょう。
そして、プロジェクトが終わったら、タグをリネームします。例えば本連載が残念なことに終わってしまったら、■﹁シゴトハッカーズ﹂というタグに切り替えるのです。
すると、タグは名称で並び替わるので、それまでは上位の方に並んでいた﹁シゴトハッカーズ﹂のタグが一番下に落ちます。
こうすれば、資料を集める時に、どんなプロジェクトに必要かを常に意識することができます。すでに終わってしまったプロジェクトも一目で分かります。以前の資料が欲しくなれば、■の付いたタグを探せばいいのです。
メモを管理する場合には、タグで管理するというだけではなく、タグを管理する視点を持つ必要があります。タグがプロジェクトなどと一致していれば、仕事で気になった資料の行き先について悩まなくて済みますし、タグの数も一定に保つことができます。
タグの話ばかりになりましたが、そもそもメモというものは仕事を進めていく上での﹁タグ﹂︵目印︶にあたるものですので、必然的にこうした話になるのだと思います。
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