おサイフケータイで電車に乗れるモバイルSuica。カードタイプのSuicaと違い、券売機にはおサイフケータイは通せないので、携帯電話の通信機能を使い、オンラインでチャージ︵入金︶を行うことになる。
モバイルSuicaへチャージするには、オンラインバンク対応の銀行口座、またはクレジットカードを事前に登録しておく。銀行口座からだと、オンラインチャージをするたびに手数料がかかるが、クレジットカードからなら手数料不要でチャージできるので、モバイルSuicaユーザーの多くはクレジットカードからチャージをしているのではないだろうか。
現在は﹁初年度無料キャンペーン﹂として、どのクレジットカードを登録しても年会費無料でモバイルSuicaのフル機能を利用できるが、4月1日以降、ビューカード以外のクレジットカードを登録している場合は年会費1000円が必要になる︵参照記事︶。
ビューカードはJR東日本が発行しているクレジットカードなのだが、年会費が500円かかる。﹁モバイルSuicaを年会費無料で使う代わりに、ビューカードに500円か……﹂とがっかりした人もいるのではないだろうか。
“ビューカード”はJR東日本が発行するクレジットカード︵プロパーカード︶と、各種提携カードの総称であり、実は一言でビューカードといってもさまざまな種類がある。JR東日本が最もプッシュしているのは年会費500円の﹁ビュー・スイカカード﹂だが、ビューカード全体で見れば年会費無料︵条件が付くものがほとんどだが︶で利用できるカードがいくつかあるのだ︵参照リンク︶。
カード名 |
通常の年会費 |
年会費無料の条件 |
イオンSuicaカード(タイプ2) |
無料 |
なし |
ビックカメラSuicaカード |
500円 初年度年会費無料 |
前年にクレジットの利用があること |
みずほSuicaカード |
500円 初年度年会費無料 |
前年に10万円以上クレジットショッピングで利用していること |
スーパーICカードSuica「三菱東京UFJ-VISA」(タイプ2) |
無料 |
なし |
TYOビュー・スイカカード |
500円 初年度年会費無料 |
入会から1年以内にびゅうプラザ等で、びゅう商品を「TYOビュー・スイカカード」で購入すると、翌年度年会費が無料 |
ジェクサービュー・スイカカード |
無料 |
ジェクサー・フィットネスクラブ・スイミングクラブの会費をカードで引き落とす |
「ビュー・スイカ」リボカード |
無料 |
リボ(定額支払い)専用 |
|
以上のビューカードは、条件を満たせば年会費無料になり、モバイルSuicaも利用できる提携カードだ※。
※「ビュー・スイカ」リボカードのみ、JR東日本のハウスカード(提携カードではない)
このうち、モバイルSuicaを無料で使うだけの目的︵=クレジット“カード”として利用するつもりがない︶でカードを作るのであれば、広くオススメできるのは﹁イオンSuicaカード﹂﹁ビックカメラSuicaカード﹂。次点が﹁スーパーICカードSuica﹃三菱東京UFJ-VISA﹄﹂﹁﹃ビュー・スイカ﹄リボカード﹂だろうか。
もちろん、自分がよく使う店や銀行との組み合わせであり、カードとしての利用がある程度見込めるなら、︵年会費が有料なものも含めて︶ほかのカードを選んだほうがいい。
上記4種類のうち、条件らしい条件がなく、完全に入会費・年会費無料なのはイオンSuicaカード。イオンが発行するクレジットカードにSuica機能を載せたものだ。ドコモの携帯で利用できる「イオンiD」(参照記事)も同時に申し込める。
ビックカメラSuicaカードは年会費500円なのだが、「前年にクレジットの利用があれば年会費無料」というルールなので、無料で利用するための条件は厳しくない(年に1回モバイルSuicaにチャージすればクリアできる)。こちらはビュー・スイカカードにビックカメラのポイントカード機能を載せたイメージで、貯まったビックポイントをSuicaとして入金したり、ビューサンクスポイント(JR東のカードポイント)をビックポイントに交換したりできる。
三菱東京UFJ銀行のキャッシュカードが作りたい人であれば、スーパーICカードSuica﹁三菱東京UFJ-VISA﹂はおすすめ。手のひら静脈認証機能に対応する、同行の﹁スーパーICカード﹂に、Suica機能を付けたカードだ。
最後の﹁ビュー・スイカ﹂リボカードは、リボ払い専用を条件に年会費無料で使える、JR東日本発行のカード。リボ払いは一括払いに比べて金利が高いため︵参照記事︶、適宜繰り上げ返済を行うなど、支払い金額を意識してコントロールしないと年会費どころではない金利を支払うことになる。とはいえ、リボ払いに慣れている人なら選択肢に入れるのは悪くないだろう。
ちなみに、上記の表で“タイプ2”と付いているカードは、発行元がJR東ではないことを示す。これによって変わってくるのは、カード利用に応じて付与されるポイントだ。
基本的にカードポイントは発行元が付けるものなので、イオンSuicaカードではイオンのポイントを、三菱東京UFJ-VISAでは三菱東京UFJのポイントを貯めることになる。
もう1つ、カードを発行する会社がどこかによって、ポイント付与率も大きく変わってくる。JR東日本が発行するビュー・スイカカードは1000円利用するごとに、2ポイントのビューサンクスポイントが付くが、Suica/モバイルSuicaへのチャージや、JR東できっぷや定期券を買ったり、びゅう国内旅行商品を買ったりした場合には、通常の3倍︵1000円で6ポイント︶ポイントが付く。タイプ2の提携カードではこの3倍ポイントの特典が付かない上、ポイントをSuicaにチャージすることもできない※。
※このほか「ビューカードとれTEL」、中央ライナー・青梅ライナーの携帯電話予約サービス、Webサービス「VIEW's NET」が利用できないといった細かい違いがある(参照リンク)。
JR東日本で定期を買ったり、長距離切符をよく購入する、あるいはSuicaの利用金額が大きいという人は、実はあっという間にビューサンクスポイントが貯まる。ビューサンクスポイントは400ポイントで1000円分のSuicaに交換できるので、1年間で6万7000円以上のお金を、Suicaやきっぷ、JRの定期券に使っている人であれば、それだけで1000円分のSuicaがキャッシュバックされる計算だ。
カードを作るという手間はかかるものの、モバイルSuicaを無料で利用する方法は実はいろいろある。もうすぐ4月。自分の使い方に合った方法を探ってみてほしい。
一般カード利用のモバイルSuicaユーザーは、年会費が必要に
JR東日本はモバイルSuica利用に関する変更点を発表した。ビューカード以外のクレジットカードを登録して利用している場合、4月1日以降は年会費1000円が必要になる。
モバイルSuicaスタート、初日の様子は……。
1月28日からJR東日本のモバイルSuicaサービスがスタート。首都圏の主要な駅ではブースを設けてPRと案内を行っている。サービス初日、池袋駅のブースにお邪魔して、モバイルSuicaアプリを設定してみた。
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