■OpenIDやgooIDなどを列挙し推奨する池田さん
ヤフーが1月30日、OpenIDに対応して﹁おっ﹂と思わせたが、実名派の巨頭と目されていた池田信夫さんはOpenIDを支持しているらしい。
松岡氏もDan氏も勘違いしているが、完全匿名の補集合は完全実名ではない。OpenIDでもいいし、当ブログのようにgooIDでもいい。diggやSlashdotのようにメンバーどうしで格づけして悪質なコメントを隠すしくみもあるし、Boing BoingのようなIDと事前承認の2段構えもある。何もしないと、日本のウェブは芸能情報とオタク情報で埋め尽くされるだろう。
●池田信夫 blog﹃ウェブを﹁匿名の卑怯者﹂の楽園から脱却させるには﹄(2008年2月5日付)
匿名主流だとウェブが芸能&オタク情報ばかりになるというのはよくわからないが、池田さんは完全実名派ではなくOpenIDでOKなんですね? ちなみに私はgooブログを使っているので当然IDも持っているが、池田さんはgooIDでも﹁是﹂らしい。 現に池田さんは2月1日付のブログ記事で、﹁今後はgooIDでログインしないとコメントできない仕様にしました﹂と宣言されている。 その上で﹁確信犯は防げないので、どの程度、効果があるかは、やってみないとわかりません。ただ﹃実名か匿名か﹄という不毛な論争の妥協点になる可能性もあるので、テストしてみます﹂とお書きになっている。 またこの記事では以下のように、OpenIDに対する支持も表明されている。 私は、実名や特定のIDを法的に強制することには反対です。OpenIDのようなシステムを多くのサービスが採用することによって﹁自生的秩序﹂が形成されることが望ましいと思いますが、今のところOpenIDはまだマイナーなので、gooIDでやってみます。 ●池田信夫 blog﹃gooIDについて﹄
■﹁IDが穢れるから中傷が防げる﹂は、私が主張する原理とまったく同じだ ところで池田さんは上記の記事で、gooIDを使う効果について﹁これによって口汚ないコメントをしたら自分のIDが汚れるというreputationを意識するようになるでしょう﹂としている。(強調表現は松岡による) 加えて私も連載しているアスキーのASCII.jpでも、2月5日付のコラムでこうお書きになっている。 最近いくつかのサイトで採用され始めた﹁OpenID﹂は、複数のウェブサービスにおいてログイン時のID入力を簡便化するための認証システムになる︵関連記事︶。これがウェブ全体で使う﹁固定ハンドルネーム﹂的になれば、口汚ない発言をするとIDの評判が落ちるので、自分の評判を守るようになるだろう。(強調表現は松岡による) ●池田信夫の﹁サイバーリバタリアン﹂﹃第2回 ウェブを﹁匿名の卑怯者﹂の楽園から脱却させるには﹄
主旨としては、私が3年前にエントリ﹃匿名の心理、実名の心理~暴言の抑止力になるものは?﹄で書いた﹁いつも使うハンドル﹂支持論、および、それが暴言を防ぐ原理とまったく同じなので、ちょっと驚いた。 私のエントリの該当箇所を引用しておく。 たとえばAさんがいつも使っているHNで、どこかのサイトに罵詈雑言を書いとしよう。その﹁どこか﹂はAさんの巡回先である可能性が高い。 すると似たようなサイトを巡回しているAさんのネット上の知り合いが、それを目にする可能性は高い。﹁Aさんて、電波だったのね﹂。そんなふうに思われ、友人をなくしてしまう。つまりネット上における世間体が歯止めになるわけだ。(中略) たとえ実名に紐付けられてなくても、いつも使っているHNはネット上で実名と同じ機能を果たす。趣味などを通じてAさんが築いたコミュニティとAさんは、HNで結び付けられている。 罵詈雑言を書いたせいでHNが穢れてしまえば、Aさんはかけがえのない自分のコミュニティを失う危険性がある。これはリッパに抑止力になるだろう。 ●すちゃらかな日常 松岡美樹﹃匿名の心理、実名の心理~暴言の抑止力になるものは?﹄(2005年5月17日付)
■それなら﹁はてなID﹂もOKなのでは? 発言者が誰なのか? を示す何らかの記号が存在し、それが同じ発言者であることを継続して担保することにより、誹謗中傷が防げる──この点において、池田さんと私の主張は何ら変わりない。 またこれら一連の記述から池田さんは、<発言者の同一性が保持・継続されるならシステムは問わない>とお考えになっているようにも思える。 とすれば﹁はてなID﹂や、はてなIDを使ってブクマ・コメントするはてなブックマークでもOKなんじゃないか、と感じるのだが、どうなんだろうか? ︻ご参考︼ ﹃はてなでOpenID﹄(はてな) ﹃OpenID入門――その導入で何が変わって何が変わらないのか﹄(ITmedia) ﹃OpenIDの仕様と技術﹄(@IT) (追記)話をわかりやすくするために、文末に参考資料を付けた(2008年2月6日)
匿名主流だとウェブが芸能&オタク情報ばかりになるというのはよくわからないが、池田さんは完全実名派ではなくOpenIDでOKなんですね? ちなみに私はgooブログを使っているので当然IDも持っているが、池田さんはgooIDでも﹁是﹂らしい。 現に池田さんは2月1日付のブログ記事で、﹁今後はgooIDでログインしないとコメントできない仕様にしました﹂と宣言されている。 その上で﹁確信犯は防げないので、どの程度、効果があるかは、やってみないとわかりません。ただ﹃実名か匿名か﹄という不毛な論争の妥協点になる可能性もあるので、テストしてみます﹂とお書きになっている。 またこの記事では以下のように、OpenIDに対する支持も表明されている。 私は、実名や特定のIDを法的に強制することには反対です。OpenIDのようなシステムを多くのサービスが採用することによって﹁自生的秩序﹂が形成されることが望ましいと思いますが、今のところOpenIDはまだマイナーなので、gooIDでやってみます。 ●池田信夫 blog﹃gooIDについて﹄
■﹁IDが穢れるから中傷が防げる﹂は、私が主張する原理とまったく同じだ ところで池田さんは上記の記事で、gooIDを使う効果について﹁これによって口汚ないコメントをしたら自分のIDが汚れるというreputationを意識するようになるでしょう﹂としている。(強調表現は松岡による) 加えて私も連載しているアスキーのASCII.jpでも、2月5日付のコラムでこうお書きになっている。 最近いくつかのサイトで採用され始めた﹁OpenID﹂は、複数のウェブサービスにおいてログイン時のID入力を簡便化するための認証システムになる︵関連記事︶。これがウェブ全体で使う﹁固定ハンドルネーム﹂的になれば、口汚ない発言をするとIDの評判が落ちるので、自分の評判を守るようになるだろう。(強調表現は松岡による) ●池田信夫の﹁サイバーリバタリアン﹂﹃第2回 ウェブを﹁匿名の卑怯者﹂の楽園から脱却させるには﹄
主旨としては、私が3年前にエントリ﹃匿名の心理、実名の心理~暴言の抑止力になるものは?﹄で書いた﹁いつも使うハンドル﹂支持論、および、それが暴言を防ぐ原理とまったく同じなので、ちょっと驚いた。 私のエントリの該当箇所を引用しておく。 たとえばAさんがいつも使っているHNで、どこかのサイトに罵詈雑言を書いとしよう。その﹁どこか﹂はAさんの巡回先である可能性が高い。 すると似たようなサイトを巡回しているAさんのネット上の知り合いが、それを目にする可能性は高い。﹁Aさんて、電波だったのね﹂。そんなふうに思われ、友人をなくしてしまう。つまりネット上における世間体が歯止めになるわけだ。(中略) たとえ実名に紐付けられてなくても、いつも使っているHNはネット上で実名と同じ機能を果たす。趣味などを通じてAさんが築いたコミュニティとAさんは、HNで結び付けられている。 罵詈雑言を書いたせいでHNが穢れてしまえば、Aさんはかけがえのない自分のコミュニティを失う危険性がある。これはリッパに抑止力になるだろう。 ●すちゃらかな日常 松岡美樹﹃匿名の心理、実名の心理~暴言の抑止力になるものは?﹄(2005年5月17日付)
■それなら﹁はてなID﹂もOKなのでは? 発言者が誰なのか? を示す何らかの記号が存在し、それが同じ発言者であることを継続して担保することにより、誹謗中傷が防げる──この点において、池田さんと私の主張は何ら変わりない。 またこれら一連の記述から池田さんは、<発言者の同一性が保持・継続されるならシステムは問わない>とお考えになっているようにも思える。 とすれば﹁はてなID﹂や、はてなIDを使ってブクマ・コメントするはてなブックマークでもOKなんじゃないか、と感じるのだが、どうなんだろうか? ︻ご参考︼ ﹃はてなでOpenID﹄(はてな) ﹃OpenID入門――その導入で何が変わって何が変わらないのか﹄(ITmedia) ﹃OpenIDの仕様と技術﹄(@IT) (追記)話をわかりやすくするために、文末に参考資料を付けた(2008年2月6日)