企画論「失敗の類型」
部下や他人のアイデアをみていると、﹁あーまたあの失敗しているなぁ﹂と思うことがよくあります。きっと世界中で同じような失敗が今日も明日もきっと続いてるのでしょう。
というわけで、同じ轍を踏まないように、企画を考える際の代表的な失敗例をいくつかあげてみます。
よくある失敗例
● 量や数を増やす。︵ムーアの法則にそった企画︶ ● ものすごく遠大な計画がある。 ● 顧客の声を最優先する。 ● 二つの目的を同時に実現しようとする。 ● ﹁あってもいい。﹂という機能を追加する。 ● 一度つくったアイデアに固執する。 もしかしたら企業によっては﹁顧客の声を聞いて、自分のアイデアを大事にして、より細かい機能追加をして、複数の課題を同時に解決するべき!﹂なんて上司が部下に指導しているかもしれないけど、全部間違いだと思ってます。
それぞれの内容を簡単に説明していきます。。。
● 量や数を増やす。(ムーアの法則にそった企画)
サービスを改善するときに、一番安易な方法は量や数を増やすことです。
例えば、ゲームの世界ではよく行われるのですが、﹁マップが4倍に!﹂とか﹁モンスターが10倍!﹂とか、そういうやつです。質的な改善が行われず、単なる物量が肥大する形です。そんなことをしても本質的な改善は行われません。
apple 以外の携帯って、基本的にムーアの法則に従った改善ですよね。
﹁CPUが1.2倍! 容量が1.2倍! 回線速度が1.2倍! カメラの画素数が1.2倍!﹂ そんなに重要これ?
ムーアの法則
最も有名な公式は、集積回路上のトランジスタ数は﹁18ヶ月ごとに倍になる﹂というものである。
企画者は、ムーアの法則から脱却するアイデアづくりっていうのが重要ですよね。
● ものすごく遠大な計画がある。
﹁このサービスは、全社の課題を解決します!﹂ 全然悪くないし、Googleなどの優れた会社は創業時から、ある意味、夢想に近い大望をもっていたことも事実なんだけど、あまりに遠大な計画をだされると、﹁死亡フラグがたってるなー﹂と思ってしまいます。 ﹁この戦争が終わったら、地元で待たせている彼女と結婚するんだ。﹂と写真を取り出す位の死亡フラグです。 Googleは遠大な計画をもっていたから成功したのではなくて、それを支える技術や才能があったからです。間違えてはいけないですよね。● 顧客の声を最優先する。
顧客の要望を聞くっていうのは、企画者にとって最たる間違いで、そんなことは一切する必要がありません。 だからといって、利用者やお客さんを無視しろっていうわけではなく、聞くべきものは、要望ではなく、顧客の︵潜在的、明示的な︶課題です。 医者のメタファーで考えるならば、患者さんが﹁胃がおかしいから、胃薬くれ!﹂っていっても、医者は胃薬あげないですよね。もしかしたら胃がんかもしれないし、もっと全然違う病気かもしれない。単なる食べ過ぎかもしれない。 ﹁胃薬くれ﹂って言われたとしても、検査して、最適な処置をするっていうのが医者の仕事です。 聞くべきは﹁胃がおかしい﹂という困っていることであり、顔色やその他非明示的な兆候です。 企画だって同じです。﹁言われたからって、胃薬あげてどうすんだ﹂ってことです。● 二つの目的を同時に実現しようとする。
これは本当によくあるのですが、二つの異なる目的を同時に実現しようする企画は、ほぼ上手くいきません。Aもできて、Bもできて、Cもできてというツールは、残念ながらAに特化した企画には勝つことができません。
複数の目的を実現しなくてはいけない状況になったならば、まずその企画を分割することはできないか︵もしくは目的を絞ることができないか︶ということを考えたほうがいいでしょう。
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