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インタビューに答えるソフトバンクグループの孫正義社長。社長室に通じる会議室には坂本龍馬のパネルが飾られている(写真:的野 弘路、以下同)
インタビューに答えるソフトバンクグループの孫正義社長。社長室に通じる会議室には坂本龍馬のパネルが飾られている(写真:的野 弘路、以下同)

 

 「僕は『シンギュラリティー』は必ずやってくると信じている。つまり20年とか30年という時間軸で、人間が生み出した人工知能による『超知性』が、人間の知的能力をはるかに超えていくと。一度超えると、もう二度と人類が逆転できないほどの差が開いていくと思うんですね」

超知性は人類を幸せにする

<b>孫正義(そん・まさよし)</b><br />1957年8月、佐賀県鳥栖市生まれ、58歳。ソフトバンクグループ社長。81年、日本ソフトバンク設立、社長に就任。96年ヤフー会長、2007年ボーダフォン(現ソフトバンク)社長兼CEO、2013年米スプリント会長に就任。2015年、ヤフー取締役、ソフトバンク会長となり、現職

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 人類に幸せをもたらす超知性の到来に備え、あらゆる企業が活用しやすいプラットフォームをアームを軸に築いていく。そのために孫社長はアームをどう変えていこうとしているのか。孫社長のアタマの中にはどこまで具体的な絵が描かれているのだろうか。


 

 「もう一つは、これからIoTだとか、いろいろなパラダイムシフトが待ち受けていることに自分たちはワクワクしている。本来は積極的に先行投資をしてもっとエンジンを噴かすべきだけれど、自分たちとしては歯がゆいことにコントロールしながら経営をしている」

 「つまり上場企業として四半期ごとに利益を着実に伸ばしていかなければならないジレンマの中でやっていると。具体的には、エンジニアの数をもっと増やして、もっと研究開発費もつぎ込みたいということです」

 「それが今回、ソフトバンクグループの傘下になり、非上場となることで、目先の最終利益を一時的に傷めてでも先行投資して、一気に加速できるようになるのはありがたいと。もう大歓迎だと言って、喜んでいるんですね」

 「この先、あまり詳しい計画はまだ言いたくないけれども、やる以上は、当然ケチくさいことは考えていません」

 「(プラットフォームを)どこまでどういう形で、いつ実現させるのか、というのはいろいろなバランスで考えなきゃいけない。でも、心構えとしては、広く多くの人々に貢献したいと、心底、そう思っている。だから、そこに対する一つの責任として、僕は少なくとも10年くらいは社長を継続したいと思ったんです」

ニケシュ・アローラ氏退任の真相は?

 グーグルから三顧の礼をもって迎えたニケシュ・アローラ氏。来年8月11日に迎える還暦の誕生日に社長を託そうと考えていた孫社長だが、シンギュラリティーや超知性への欲望をかき立てられ、翻意した。孫社長がアローラ氏に本心を告げたのは6月中旬とされる。すると、アローラ氏はソフトバンクを去った。以上が、これまでの公式見解である
 だが、市場関係者などの間では様々な臆測を呼んだ。「投資方針を巡り、孫社長とアローラ氏に確執があったのではないか」「アームの買収で何らかの齟齬があったのでは」との邪推も広がった。真相はどうだったのだろうか。

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 日経ビジネス8月8日・15日合併号緊急特集では、「アローラ氏退任の真相」から、孫社長が考える「超知性による近未来の世界」「アームによるプラットフォームの具体像」まで、インタビューの全編をご覧いただけます。

 また、ソフトバンクグループを待ち受ける4つの懸念、「IoT時代の盟主となれるか」「既存事業とシナジー出せるか」「有利子負債など財務リスク」「振り出しに戻った後継者リスク」についても検証しています。孫社長はどう答えるのか。合わせてお読みください。

(日経ビジネス8月8日・15日合併号の緊急特集は、こちらのデジタル版「退任撤回、アーム買収 孫正義『本音を話そう』」と「検証、4つの『懸念』」でもお読みいただけます)

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