沖縄二紙がキレた『ニュース女子』ー東京MXテレビは居直り、「議論」=デマの寄せ集め
![](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/iwiz-yn/rpr/shivarei/00066657/top_image.jpeg?exp=10800)
東京都のローカル地上波テレビ局﹁東京メトロポリタンテレビジョン︵東京MXテレビ︶﹂が放送している情報番組﹃ニュース女子﹄への批判が高まっている。
1月2日に放送された同番組の特集﹁沖縄基地反対派はいま﹂について、沖縄の地元紙﹃沖縄タイムス﹄が﹁悪意むき出し﹂と、﹃琉球新報﹄も﹁公共の電波を使った沖縄に対するヘイトスピーチ﹂と社説で猛批判。また、番組で名指しされた市民団体の代表がBPO︵放送倫理・番組向上機構︶に人権侵害を申し立てる事態にも発展。東京MXテレビの株主でもある東京新聞も、﹃ニュース女子﹄批判記事を大きく掲載した。
これほどの強い批判を招いた理由としては、単に政治的に偏っているというだけでなく、明らかに事実と異なることを﹁マスコミが報道しない真実﹂であると、同番組が主張したからであろう。外交・安全保障についての考え方は、人それぞれであるし、メディア上でも様々な角度からの議論は行われるべきだ。だが、﹃ニュース女子﹄の沖縄レポートは、放送法4条﹁報道は事実をまげないですること﹂に反するものであり、東京MXテレビ自体も社としての姿勢を疑わざる得ないメッセージを発している。
![N1ゲート前でのヘリパッド建設反対集会。昨年12月筆者撮影]()
N1ゲート前でのヘリパッド建設反対集会。昨年12月筆者撮影
![ヘリパッド建設抗議活動の参加者に襲いかかる機動隊]()
ヘリパッド建設抗議活動の参加者に襲いかかる機動隊
![東京MXテレビとしてのメッセージ]()
東京MXテレビとしてのメッセージ
つまり、本稿で指摘してきた番組中の虚偽について、何ら訂正や謝罪もなく、﹁様々なメディアの沖縄基地問題をめぐる議論の一環﹂としてしまったのである。全くふざけた言い草だ。﹁様々なメディア﹂というが、例えば、NHKや地上波キー局が﹃ニュース女子﹄の﹁沖縄レポート﹂ほど、事実に反することだらけの番組を放送したことは未だかつてない。はっきり言えば、極右ネットユーザーが集まるネット掲示板やまとめサイトでのデマを、そのまま番組にしたのが、今回の﹁沖縄レポート﹂だ。東京MXテレビのメッセージは、沖縄の基地被害に苦しみ憤る人々をバカにしているだけでなく、メディアという存在そのものを愚弄にしている。東京MXテレビの放送基準にも反することだろう。
︽人 権︾
放送を通じてすべての人の人権を守り、人格を尊重する。個人、団体の名誉、信用を傷つけない。差別・偏見の解消に努め、あらゆる立場の弱者、少数者の意見に配慮する。
︽公共性︾
政治、経済、社会生活上の諸問題は公平、公正に取り扱う。意見が対立している問題については、できるだけ多角的な観点から情報を提供する。
︽訂 正︾
放送が真実でなかったり不適切だったことが判明した時は、できるだけ速やかに明確な訂正、取り消しの放送をすると共に再発防止に努める。
出典:TOKYO MX 放送番組の基準
何度も強調しているが、﹁様々な議論﹂をするにしても、それが事実に基づいたものであることが、メディアとしての最低限のラインなのだ。それさえ守れず、虚偽に虚偽を重ねた放送を批判的検証することができないのであれば、東京MXテレビはメディアとして失ってはいけないものを失うことになる。関係諸氏には猛省を促したい。
︵了︶