はじめに
対象読者
Visual Studio.NETの開発者。VSSを利用している方。InstallShieldを利用している方。コンパイル・ビルド作業・インストーラ作成の自動化に興味がある開発者の方。必要な環境
このサンプルは、NAnt バージョン0.85、NAntContrib バージョン0.85、VSS 2005、.NET Framework 2.0、InstallShield 12 Premiere Edition︵日本語版︶で動作確認を行っています。 NAntに関する詳細は、別稿﹃NAntを活用して開発時の作業を自動化する﹄も併せて参照してください。NAntContribはNAntの拡張版であり、NAnt用のアドオンタスクが含まれています。サンプルファイル︵NAntSample_VCSharp3.zip︶の使用方法
サンプルファイルには、NAnt本体︵バージョン0.85︶、NAntContrib本体︵バージョン0.85︶、VSS DB、NAnt起動用バッチファイル、NAntサンプルスクリプトが含まれています。このサンプルを実行するにはVS、VSS、InstallShieldが必要です。 (一)ダウンロードファイルをC:\に解凍する︵配置先は、C:\NAntSample_VCSharp3︶。 (二)NAntを実行するため、NAntExecute.bat をダブルクリックする︵NAntExecute.bat起動時に、NAnt.exeのパスが環境変数に設定されます︶。サンプルスクリプト処理の流れ
サンプルスクリプト処理の流れを下図に示します。サンプルスクリプト ターゲットごとの解説 その1
このスクリプトは、以下の内容で構成されています。 ●プロジェクト設定/プロパティ設定 ●mainターゲット ●Vssgetターゲット ●buildターゲット ●installerターゲット それでは、各設定、および、ターゲットについて解説していきます。プロジェクト設定/プロパティ設定
NAntスクリプト冒頭部分で、スクリプト内で利用する値をプロパティとして設定しておきます。何度も利用する値などを、まとめて設定しておくと便利です。 ここでは、以下のプロパティを設定しています。プロパティ名 | 説明 |
nant.sample.path | このサンプルのルートパス。 |
vss.path | VSSのコマンドライン版である「ss.exe」のパス。 |
user | VSS DBのログインユーザー名。 |
pass | VSS DBのログインパスワード。 |
ssini.path | VSS DBの設定ファイル(「~.ini」ファイル)のパス。 |
vsswk.path | VSSのローカルワークスペースのパス(ソースの取得先)。 |
release.name | リリース名(コマンドラインから引数で渡す)。ここで指定した値が、インストーラの製品名に追加される。 |
build.path | ビルド出力先のパス。 |
setup.path | インストーラ出力先のパス。 |
iscmd.path | Install Shieldコマンド版である「IsCmdBld.exe」のパス。 |
ism.path | Install Shieldプロジェクトファイル名(パス)。 |
また、今回のサンプルに含まれるVSS DBのディレクトリ構成は下図のようになっています。
![VSS DBのディレクトリ構成 VSS DBのディレクトリ構成](http://cz-cdn.shoeisha.jp/static/images/article/909/909_02.gif)
VSS DBより、Rootプロジェクト以下を再帰的に取得します。