テレビで﹁うつ病になりやすい人の特徴﹂が紹介されていたのですが、それを聞いてたら﹁まさに自分の性格だなあ・・﹂と思いました。
まじめで責任感が強い、内省的、心配性でネガティブな方向に考えがち、几帳面、などなど、全部あてはまります。
今のところまだ患ったことはありませんが、その理由のひとつは﹁すごく気をつけてきたから﹂だと思っています。
うつ病に関しては、﹁自分だけは大丈夫と思っている人があぶない﹂と聞きますが、私の場合は反対で、﹁自分は気をつけないと、うつ病になるかも﹂とずっと心配してきました。 だから常に気をつけています。ある意味では予防的な認知療法をやってきた、という感じでしょうか。 その結果として“とりあえず今のところ”ならずに済んでいるんだと思うので、できればこのまま頑張って、一生ならずにすませたいものです。
で、何にどう気をつけているかと言えば、まずはなるべく“モノを考えない性格の人”とつきあうようにしています。 と書くと﹁私のこと?﹂﹁オレのこと?﹂と驚く友人が何人もいそうですが、これはもちろん悪口ではありません。 楽観的で何でも前向きに考えて、失敗しても大笑いして済ませられる人と一緒にいると、﹁こんな大変なことでも、こういうふうに受け止めればいいんだ﹂と学ぶことができます。 時には余りに呑気に見える友人も、ちきりんにとってはだいじなメンタル・コーチです。
反対に、自分と同じように内省的で考えすぎる人に出会うと、深く理解しあえるメリットはあるのですが、 一方で﹁生きる意味は?﹂﹁これが人生で今やるべきことなのか?﹂みたいな、答えのない議論を突き詰めたり、あえて傷口をさらすような行為を行って、お互いにピリピリしてしまい、時には怖く感じることさえあります。 ﹁もっともっともっと考えないといけないんじゃないか?﹂と思いがちな私にとって、何を議論していても5分もすれば、﹁とりあえず夕食は何食べる?﹂と話を変えてくれる人は本当に貴重な存在です。
もうひとつ気をつけているのは、﹁一定以上の努力が必要なことはしない﹂ってことです。私は、﹁自分の能力を大きく超えた目標をたてない﹂ように、常に気をつけています。 まじめな人は、いったん高い目標をたてると最後まで頑張ってしまいます。 適当に済ませることができず、﹁できなくてもいいや、仕方ない﹂と思えません。﹁なんとかしてやり遂げないと﹂と自分を追い込んでしまうのです。
そうなることが目に見えているので、私は最初から﹁頑張らなくてもできそうなこと﹂を目標にします。 なのでよく﹁努力という概念を知らないヤツだ﹂とか、反対に﹁余裕があるよね、ちきりんはいつも﹂と言われるのですが・・・確かにそうでしょう。できることしかやらないのですから。 大丈夫かなと思ってやり始めたことでも、﹁あっ、これはかなりの努力をしないと無理だ﹂とわかった時点でやめます。 ﹁お前ならやればできるはず﹂などと言われても、おだてられてやる気になったりしないよう気をつけています。
その他、﹁そんなに頑張らなくて良いよ﹂と言ってくれた人の言葉を大きく書いて、会社のデスク前、パソコンの横などすぐ目に付くところに飾っています。 私の母は﹁大事な仕事に寝過ごしたら、神様にありがとうといいなさい﹂とよく言っていました。 ﹁大事な仕事なのに起きられないくらい体が疲れている時に、無理矢理起きなくてよかった。そこで寝られたから、命と健康が守られたのよ﹂というのが彼女の理屈です。 母には他にもよく﹁つらかったらすぐに逃げなさい﹂と言われました。頑張りすぎる娘の性格をよく知っていたのでしょう。
その他、多くの親しい人が、私を救う言葉をかけてくれました。 つまんない失敗ひとつで地獄の果てまで落ち込むちきりんに﹁自分の失敗なんか、自分以外で覚えてる人はいないんだから、自分が忘れたらそれで終わりだよ﹂と言ってもらえて、どれだけ助かったか。 この言葉を書いたメモは、今も自宅のパソコンに貼ってあります。
というように、内に向かいがちな感情をコントロールするために、﹁心の持ち方の訓練﹂、﹁できるだけネガティブに考えないようにする訓練﹂を続けていると、感受性自体も次第に下がってきます。 それを何十年も続ければ、次第に性格や気質も変化し、最近は自分の性格についても﹁比較的いい感じじゃない?﹂と思えるようになりました。 この経験から私は、﹁性格は変えられる﹂と確信しています。
もちろん、﹁完璧なる脳天気さ﹂を発揮してくれる本当にすばらしい友人達を見ていると、﹁あっ、無理。こうなるには 300年あっても無理!﹂とは思うものの、 自分の時系列比較︵昔の自分と今の自分の比較︶であれば、その変化はかなり大きく、﹁よく頑張った!﹂と自分を褒めたいくらいです。
たいていの人にとって“成長”とはスキルが上がったり、知識や判断力が増すことを意味するのでしょうが、 私にとっての“成長”とは﹁できるだけ鈍感になること﹂﹁あまり考えこまないようになること﹂であり、振り返れば“性格改造”こそが自分の成長の目的であり軌跡であったと思います。
んじゃね
うつ病に関しては、﹁自分だけは大丈夫と思っている人があぶない﹂と聞きますが、私の場合は反対で、﹁自分は気をつけないと、うつ病になるかも﹂とずっと心配してきました。 だから常に気をつけています。ある意味では予防的な認知療法をやってきた、という感じでしょうか。 その結果として“とりあえず今のところ”ならずに済んでいるんだと思うので、できればこのまま頑張って、一生ならずにすませたいものです。
で、何にどう気をつけているかと言えば、まずはなるべく“モノを考えない性格の人”とつきあうようにしています。 と書くと﹁私のこと?﹂﹁オレのこと?﹂と驚く友人が何人もいそうですが、これはもちろん悪口ではありません。 楽観的で何でも前向きに考えて、失敗しても大笑いして済ませられる人と一緒にいると、﹁こんな大変なことでも、こういうふうに受け止めればいいんだ﹂と学ぶことができます。 時には余りに呑気に見える友人も、ちきりんにとってはだいじなメンタル・コーチです。
反対に、自分と同じように内省的で考えすぎる人に出会うと、深く理解しあえるメリットはあるのですが、 一方で﹁生きる意味は?﹂﹁これが人生で今やるべきことなのか?﹂みたいな、答えのない議論を突き詰めたり、あえて傷口をさらすような行為を行って、お互いにピリピリしてしまい、時には怖く感じることさえあります。 ﹁もっともっともっと考えないといけないんじゃないか?﹂と思いがちな私にとって、何を議論していても5分もすれば、﹁とりあえず夕食は何食べる?﹂と話を変えてくれる人は本当に貴重な存在です。
もうひとつ気をつけているのは、﹁一定以上の努力が必要なことはしない﹂ってことです。私は、﹁自分の能力を大きく超えた目標をたてない﹂ように、常に気をつけています。 まじめな人は、いったん高い目標をたてると最後まで頑張ってしまいます。 適当に済ませることができず、﹁できなくてもいいや、仕方ない﹂と思えません。﹁なんとかしてやり遂げないと﹂と自分を追い込んでしまうのです。
そうなることが目に見えているので、私は最初から﹁頑張らなくてもできそうなこと﹂を目標にします。 なのでよく﹁努力という概念を知らないヤツだ﹂とか、反対に﹁余裕があるよね、ちきりんはいつも﹂と言われるのですが・・・確かにそうでしょう。できることしかやらないのですから。 大丈夫かなと思ってやり始めたことでも、﹁あっ、これはかなりの努力をしないと無理だ﹂とわかった時点でやめます。 ﹁お前ならやればできるはず﹂などと言われても、おだてられてやる気になったりしないよう気をつけています。
その他、﹁そんなに頑張らなくて良いよ﹂と言ってくれた人の言葉を大きく書いて、会社のデスク前、パソコンの横などすぐ目に付くところに飾っています。 私の母は﹁大事な仕事に寝過ごしたら、神様にありがとうといいなさい﹂とよく言っていました。 ﹁大事な仕事なのに起きられないくらい体が疲れている時に、無理矢理起きなくてよかった。そこで寝られたから、命と健康が守られたのよ﹂というのが彼女の理屈です。 母には他にもよく﹁つらかったらすぐに逃げなさい﹂と言われました。頑張りすぎる娘の性格をよく知っていたのでしょう。
その他、多くの親しい人が、私を救う言葉をかけてくれました。 つまんない失敗ひとつで地獄の果てまで落ち込むちきりんに﹁自分の失敗なんか、自分以外で覚えてる人はいないんだから、自分が忘れたらそれで終わりだよ﹂と言ってもらえて、どれだけ助かったか。 この言葉を書いたメモは、今も自宅のパソコンに貼ってあります。
というように、内に向かいがちな感情をコントロールするために、﹁心の持ち方の訓練﹂、﹁できるだけネガティブに考えないようにする訓練﹂を続けていると、感受性自体も次第に下がってきます。 それを何十年も続ければ、次第に性格や気質も変化し、最近は自分の性格についても﹁比較的いい感じじゃない?﹂と思えるようになりました。 この経験から私は、﹁性格は変えられる﹂と確信しています。
もちろん、﹁完璧なる脳天気さ﹂を発揮してくれる本当にすばらしい友人達を見ていると、﹁あっ、無理。こうなるには 300年あっても無理!﹂とは思うものの、 自分の時系列比較︵昔の自分と今の自分の比較︶であれば、その変化はかなり大きく、﹁よく頑張った!﹂と自分を褒めたいくらいです。
たいていの人にとって“成長”とはスキルが上がったり、知識や判断力が増すことを意味するのでしょうが、 私にとっての“成長”とは﹁できるだけ鈍感になること﹂﹁あまり考えこまないようになること﹂であり、振り返れば“性格改造”こそが自分の成長の目的であり軌跡であったと思います。
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